LaTeXの入門書として定評のある名著です。本書のルーツは1990年代前半にさかのぼり、コンピュータを取り巻く環境の変化に応じて改訂を重ね、現在に至っています。現在の版では、PostScriptやPDFファイル、フォントの扱い、本作りのノウハウなどが新たに盛り込まれました。<BR>LaTeXの解説書としての本書の評価は他のレビューに譲って、このレビューでは本書のそれ以外の特色を記します。<P>本書は、単なるLaTeXの「使い方の説明」にとどまらず、「LaTeXを使った文書作成の『基本的な考え方』」をも学べるように書かれています。その方針は、第1章でTeX/LaTeXの生い立ちやTeXの組版規則の解説にページを割いていることや、第3章に「文書の構造」「美しい組版のために」などの節を設けていることからもうかがえます。<BR>とりわけ、3.22節「美しい組版のために」では、和文文字・欧文文字(いわゆる全角・半角文字)の組版上の違い、空白の扱い、句読点・括弧類・引用符・疑問符・感嘆符の組版上の扱いなど、LaTeXの機能とは直接関係ないけれど、美しい組版を実現するためのさまざまなノウハウが解説されています。続く3.23節では、欧文に特有の組版上の注意点が記されています。この手の「組版規則に関する知識」をていねいに解説しているのは、類書には見られない本書の著しい特色です。<BR>LaTeXの各種機能の使い方を説明する場面でも、単にコマンドの使い方を述べるだけでなく、LaTeXの設計思想や文書作成の基本的な考え方にまで立ち返った解説がなされています。手っ取り早く使い方を知りたい読者にとっては、これらの解説は冗長に感じられるかもしれません。しかし、このような本質的な考え方を理解することは、LaTeXを上手に使ってよい文書を作成するための、大きな助けになります。<P>本書を単なる「LaTeXの使い方を記したマニュアル」とみなすべきではありません。「LaTeXでの文書作成の『基本的な考え方と技術』を学ぶための本」という側面にこそ、本書の価値があると思います。「美文書作成入門」というタイトルには、「LaTeXを使って美しい文書を作成するための知識と技術をも伝える」という本書の思想が現れています。
理数系の論文提出にはTeXを使うため購入.Webですでにインストール済だったので補助的な内容と簡易インストールアプリをもとめていた.<BR>がっかりしたのは簡易インストールアプリのTeXのバージョンがかなり古いということ.家に届いたのは2004年にすられて物にもかかわらず,更新されていない.これにはがっかり.<BR> 内容については,省略部分が多く,説明も同じ事に繰り返しがあったり,わかりにくいものが多い.<BR> 内容としては奥村氏が書いている,または他の人のWebの内容で十分である程度の本である.<BR> 「すぐにみられる本」として欲しい人は勝手も良いのではないだろうか.定価は高めだと思う.しかし、自分的な出せる内容であったように思う
Latexを初めて勉強するために買ったのだが、説明は詳しいし、良くできた本だと思う。<BR> 解説はMacOSXにも対応しているが、インストールについてはこの本では解説されていない。普通のアプリケーションのインストールとは全く違うので著者が公開しているホームページを見ることを薦める。 <BR> Windows用には詳しいインストール方法が書かれている。<BR> 著者のホームページにはこの本に関する情報が満載なので、ホームページまで考えに入れると、サポートはすばらしいと言える。