田坂さんの本はいつも大切なことを気づかせてくれる。この本を読んで、改めて、田坂さんの本をいつも鞄に入れておきたいと思うようになった。田坂さんの本を読むと元気になる。それも空元気のような元気ではなく、背筋が伸びて生きることに対して素直になれる。共に成長しあえるような人に出会い、自分の人生を生き抜きたいと心からそう思った。帯の言葉を紹介するだけで十分だろう。<P> 「人生において、『成功』は約束されていない。しかし、人生において『成長』は約束されている」。
志を高く持つこと。苦難に打ち勝つことなど、本書は教えてくれている。<BR> 昔と比べると今はモノ・金があふれている。親がガミガミ言ったところで子供には煙たがられるだけである。<BR> しかしながら、そんな彼らが、大人びてくる中学生頃に本書をそっと手渡したい。そんな気持ちに指せられる一冊である。
「志」とは何か、なぜ「志」を抱いて生きるのか。この大きな問題に真正面から立ち向かい、著者は彼の信じる答えを剛速球のように投げ込みます。<BR> 答えの第1は「悔いの無い人生を生きるため」です。著者は言います。<P> 人は、かならず、死ぬ。<BR> この人生は、ただ一度しかない。<P> この二つの真実をみつめるとき、<BR> 誰しも、思う。<P> 悔いの無い人生を送りたい。<P> 著者の渾身の直球勝負に、場違いにバッターボックスに立った中年読者の私は目を見張りました。<BR> 続いて繰り出される第2の理由、第3の理由にも全く手が出ません。野球ならばストレートの三振でバッターアウトになるところですが、著者は間髪を入れずに第4の理由、第5の理由も真正面から読者に投げかけました。<BR> ゆっくりとマウンドを降りた著者は、バッターボックスに歩み寄りながら、この5つのボールの根底にあるのは「人間成長」の覚悟であること、一人ひとりの人間成長が人類の成長に繋がることを語りかけます。<BR> 共に人類の歴史を拓こう、と。<P> 「志」を抱いて歩むかぎり、<BR> それは、かならず、素晴らしい成長の糧になる。<P> そのことを思い出してほしい。<P> 今の日本社会には、真正面から人生を語る人を揶揄したり嘲笑したりする風潮があります。これほどストレートに人生を語る人がいると、「巨人の星をめざせって言い出しそう」とか「なんかヘンな宗教なんじゃない」などと茶化す人の声が聞こえてきそうです。<BR> しかし、この本を読む限り、田坂氏は変な下心なしに真っ当な人生観を問うている「まっとうな人」です。この著者のメッセージは、せちがらい世の中にどれだけ毒されているかを試すリトマス試験紙のようなものかもしれません。<P> 一言ひとことを噛みしめるように、じっくり味わいながら読むことをお薦めします。