ワタシみたいな初心者がクトゥルフ(クトゥルー)世界に入ってみると、意外に困ったのがガイドブック(解説本)。<BR>歴史があるだけに絶版・品切れの物も含めると結構な数が出ているのですが、いざ手にしてみると、単なる神話世界の解説に終わってしまっていたり、余りにもマニアックすぎてかえって役に立たなかったりと、意外によい物がありません。<BR>例えばサンディ・ピーターセンの『クトゥルフモンスターガイド』シリーズなどは、モンスターのイラストの美しさでは群を抜くものの、何しろ参考文献として平然と架空の書物(!)から引用している、ほとんど『魁!男塾』の『民明書房』状態(^^;)ですから、どのモンスターがどの作品に登場するのか、さっぱりわからない。<BR>まあ、元々がテーブルトークRPG用のガイドですから、仕方ないのですが…。<P>その点、この本にはすごく助けられました。<BR>とにかく情報量がすごい!御大ラヴクラフトはもちろん、海外、国内の様々なクトゥルフ作品、さらには『斬魔大聖デモンベイン』や『エンジェルフォイゾン』まで、古今東西、ありとあらゆる創作物(小説、映画、コミック、ゲーム)がこれでもかこれでもかって具合に凝縮されています。<BR>作者・朱鷺田祐介氏の知識量には脱帽の限りです。さらに分量だけでなく、解説も充実。膨大な情報がわかりやすく整理されており、どの作品がどの本に収録されているかも一目でわかります。<BR>各作品につけられたキャプションやイラストも秀逸で、解説本でありながら、単独で読んでも十分楽しめるのがすごい。ありがたいことに、現在は絶版・入手困難な作品にも多く言及されているので、古い本を探す際にも大いに参考になります。<P>これならば、初心者はもちろん、中級者以上でも今まで知らなかった作品に巡り会えるのではないでしょうか?<BR>現在入手可能なベストのクトゥルフ解説本と、自信を持ってお勧めできます。
最近のゲームで頻繁に元ネタにされているクトゥルフ神話を解かりやすく、且つ、簡潔に纏めてある一品。<P>序章:クトゥルフ神話への招待<BR>第一部:ラヴクラフトと神話の誕生<BR>第二部:後継者たちの悪夢<BR>第三部:クゥトルフ・ジャパネスク<BR>第四部:資料編<P> 序章で浅く広く触れた部分を、第一部から第二部にかけてじっくりと説明・分析した後、<BR>第三部では、日本でクトゥルフ神話の一部をモチーフとして借り受けて作られているゲームやライトノベルについて触れている。<BR> また、中でも、神話の中で登場する悪魔、及び、神などのイメージ挿絵が、これまたグロテスクだったりするから、<BR>イメージにしっくりと馴染んでいて、思わず、ぞくり、と背中の産毛が逆立ってしまったりもすることがあったりするだろう。<BR> 何より、関連書籍が事細かに記載されているのもポイントが高い。<BR>もっと詳細を知りたい、と思えば、それを探せばいいのだから、非常に便利だ。<P> つまり、何らかの形でクトゥルフに触れて、詳しく知りたいと思った人のための入門書みたいなもの。