江戸時代に発達した米相場は伝説的な相場師を生みました。それが本間宗久です。一般的には酒田罫線法は本間宗久が創案したものといわれていますが、いろいろな説があるようです。本書はマンガのみを読むこともできますし、本間宗久の秘録を原文(古文)のまま読むこともできますし、古文の現代語訳を読むこともでき、1冊で3度楽しめます。私は古文は苦手なので、マンガと現代語訳を読みました。この本を読んだ後、何年も前に読んだ、林輝太郎氏の「定本酒田罫線法」を読みたくなりました。初心を思い出させてくれるようなマンガで啓発的で有益でした。マンガ部分だけでも十分に楽しめます。
私はこの本の存在を知ってそのアイディアに驚かされました。本間宗久翁秘録全157章に現代語訳をつけマンガで解説するというアイディアです。読んでみて「本間宗久」への理解が一気に進みました。著者には本当に感謝しております。私は今こそこの人物を見直すべき時だと思っている一人です。それは日本はいよいよ市場経済社会が本格化する時期にきているからです。2005年4月からペイオフが解禁となり2007年度には郵政の民営化がスケジュール化されております。ということは今の日本は何だかんだ行ってもまだまだ国によって保護されているということです。この保護がいよいよ取り払われて市場経済が本格的に動き出すということです。国民一人一人が正確な金融知識を身に付けて自分で判断して行くことが求められるということです。そういう意味で「本間宗久」は市場経済社会の「手本でありかがみ」だと位置づけることが出来ると思います。またこの人物が山形県庄内地方の酒田から出たことがまた興味深い。江戸中期の経済社会の実態がかかる人物を輩出するだけの自由度があったことも興味をそそられる。<P>いずれにしても日本は小中学生時代からの社会科や経済・金融に関する教育の在り方を見直すことが求められていると思うし、今回著者が試みた手法は日本にも立派な先達がいたことを学ばせるうえで有効である。ますますのご活躍を期待します。
本間宗久という相場の神様について書かれた本です。<BR>本書では、そのおいしいエッセンスをマンガで学ぶことが出来ます。<BR>とはいえ、肝心な部分は文字で解説されていて、読み応えがあります。マンガとはいえ、内容が深いのでじっくりと噛み砕きながら読むことをお薦めします。林輝太郎氏の寄稿も一読に値します。