世の中に、受験テクニックの指南書や合格体験記の類はたくさんあるが、本書はそれらの類書をはるかにしのぐ「お役立ち本」である。その理由は二つある。<BR>第一は、本書では著者と娘の「試行錯誤」が余すところなく書かれている点だ。成功談だけでなく失敗談(こちらの方が多いくらい)までが、著者の冷静な視点できっちり記されているのは貴重である。失敗から新たな戦略が立てられる。戦略立案→実行→失敗→戦略の練り直し→成功→新たな戦略立案、というサイクルで、いかに受験の「勝利」に至ったかの貴重な記録となっている。<BR>第二は、著者がかつて司法試験合格を目指していたときのさまざまな勉強法も紹介され、それが娘さんの勉強方法の説明とうまく噛み合って、絶妙な相乗効果を醸し出している点だ。そのせいで、本書は単なる中学受験のテクニックにとどまらず、何らかの勉強をしたい社会人一般にとっても、格好の指南書になっている。<BR>編集部の校正がやや甘いのか、いくつか誤植があるのは残念だがこれは著者の責任ではないだろう。そんな些事を吹き飛ばしてしまうくらいの良書と言える。クールな語り口の行間から、娘さんへの愛情がじんわりと伝わってくるのも好ましい。
高校受験から中学受験へと少子化の中で子供への受験年齢は低年齢化する中、受験経験者の中でも合格を勝ち取った体験談は様々な形でこれから経験するであろう受験待機組の我々の目にするところである。 本書ほど親子で中学受験をロジックに考え、受験生の心の内側から理解し導く書は数少ないのではないだろうか。 塾的な分析ではなく受験生の親から観た分析などは興味深く一気に読み干してしまう。 独自の方法論も魅力であるが父親として受験を控える子供が合格を勝ち取れるまで机上に置き参考としたい本であることは間違いのない事実であろう。
塾や教材が実名で出ており、その内容も細かく分析されていて、時間を忘れて一気に読んでしまいました。<BR>これだけ書くと、他からの反発が出て著書も大変でしょうねえ。<BR>でも、私の息子は、Sに通っていますが、息子の通う塾を上手に活用する方法がわかりましたので、これからはもっと上手にSとつきあって、成績を伸ばしていければ・・・・・と、期待しています。<BR>また、方法論は、分かりやすく具体的で、暗記を嫌がっていた息子に使ってみたら、効果抜群!<BR>今では、楽しく付き合わされています。