虐待された子供は何も悪くない。<BR>生まれてきたことは罪じゃない。<BR>―――だから、家を出て大きくなっても自分の過去を恥じることなんてない。<BR>悪いことをしたわけではないのだから。<P>児童虐待の真実と、里親制度のすばらしさをこれ以上ないほどわかることの<BR>できる本。
少年期は学校の先生が彼のあざを見て保護してくれてからのお話です。<BR>やっと母親と離れられた彼が里親に育てられていきます。<P>しかし心には母親の事が気になって気になっていつか仕返しにくるのではないかと怯えています。怯えてはいるのだけど母親に会いたいという気持ちがあるようです。やはり子供は自分を生んでくれた母親がいいんだと思いました。それは普通の家族では当然のことです。それが出来ないでいる彼は心の穴を埋めるのに必死のような気がしました。<P>幼年期と同様母親にも父親にも読んでいただきたいです。
この本は著者の実体験をもとにしてあります。<BR>私自身、子供のころ親から虐待を受けた経験があります。<P>これほどひどいことはされませんでしたが、共感できる節が何箇所かありました。自分を愛してくれるはずの母親からひどい虐待をうけ、父親や兄弟、学校の友達からも人間扱いされない、そんな幼少期をすごした著者。これはただの小説ではなく、著者の生きてきた証。母親に何度も殺されかけ、それでも生きぬいた著者の生き様だとおもいます。<P>いま、私は子供を育てるという立場になりました。子供のころにされたことは、今でも心の奥に潜んでいます。よく、虐待は繰り返されるといいますが、私は自分の子供に自分のような思いはさせたくないと思っています。この本を読んで、子供は母親からも、家族か!ァも逃げられない存在であり、子供のこの小さな世界を壊すのは私たち親にはいとも簡単ですが、親は子供を自分の所有物(It)だと思ってはいけないということを感じました。虐待するからには、親も悩んでのことだなんていうのは言い訳に過ぎません。子供は親の悩みなど知ったことではないし、子供にその悩みをぶつける親が親失格なのですから。<P>今日、騒がれる虐待。今始まったことではないけれど、虐待してしまうかもしれない親御さん、今してしまっている親御さん達に読んでもらいたいです。この本を読み終えて、壮絶な著者の人生に涙が出ました。そして、自分の子供に、絶対にこんな思いはさせたくはないと心から思いました。