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黄色い雨 ( フリオ リャマサーレス Julio Llamazares 木村 榮一 )

この本がスペイン語から翻訳され我々のもとに届いたということ。<P>それはまるで、遠くの森で切り倒された木の音が耳に届くようなもの、今では死んでしまった星の存在しない光を夜の闇の中に見るようなもの。夜中に目を覚まし、誰も聞かなかったほんの一声に気づくようなものなのだ。これは歴史の表に刻まれることはない声だ。ほとんどの人が気づかなかった声なのだから。詩人の耳と目だけがこの声を拾い、我々はその声を聞く。悲しみに流す涙はない。そんなものに意味はないし、誰も要求することもないのだから。詩人の声を聞くとき、我々はこの村を現実の映像として目の前に見る。廃墟となったアイニェーリェ村を歩く私と後に続く雌犬の影を見る。なぜか家の形まではわかるけれど、私の顔は見えない。既に影になってしまっているからだろうか。<P>抽象的な言葉をいくつ重ねても、その喪失感は表現できない。これは、詩人だけが語ることのできる世界なのだ(補足しておくと、作者は元々詩人として創作活動を始めたそうだ、木村氏の解説も非常に丁寧にこの作品の出会いを語り、背景を補ってくれている)。

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