本書によって従来より疑問に感じていた謎が氷解した、すなわち人間の生体機能における免疫の役割と重要性とは何かを、この完璧なまでの人体の免疫機構と機能を認識した時、西洋医学と東洋医学の真の融合によって新たな人類の予防医学の実践が可能になるだろう
従来から免疫学に興味がありましたが、ウズラの脳幹をニワトリに移植すると、脳を「非自己」とみなす、というのは、言われてみれば理解できるのですが、脳死を死の基準としている昨今の常識を考えると、眼からウロコでした。専門用語で難しいという方は、五木寛之・塩野七生対談集「おとな二人の午後」で五木さんが、わかりやすく解説していますので、そちらをまず読まれると理解しやすくなると思います。脳と免疫ということで、一度、養老孟司先生と多田先生の対談を見聞してみたいものです。随分言葉を噛み砕く努力はされたとはいえ、まだまだ難解な言葉が多いので星4つとしました。
分かり易く書かれてはいるのですが、専門用語などの多用は避けられないようで、全くの素人にはやはり難しい本です。泣きたくなりました。私は何度も読み返しながら、一ヶ月かけてやっと読み終わったくらいです。しかししかし、それでも最後まで読めたのは、普段知ることのない我々の体の内部で、いかに免疫系がダイナミックなドラマを展開しているかということを知る楽しみが尋常でなかったからでしょう。いや凄いっす。最近読んだ中では一番興奮した本だと言っても過言ではありませんね。知的興奮を直撃する納得の内容です。たまにはこういう頭の良くなる本も読んでみてはいかが。