整数、素数、約数、確率ならまだいいとしても、微分積分ときたら誰だって「もういい」と言って嫌気がさしてしまうものでしょう? でもね、この本を読んだらきっと昔の参考書を引っ張り出してしまうはず、もう一度高校生に戻りたいと思うはず。この本に出てくる数学者達は、素数や確率に無我夢中。世の中は数学によって成り立っていると信じて疑っていない訳。世の現象を解明するために定理を発見しようと日夜奮闘している次第なの。だって、「素数1、2、3、の次は5。どうしてか?」ってことを一日中考えとおしているんだもの。学校の数学のアプローチとは違って、自然体で向き合っているところが面白い。あなただってこの本を読んだら、「あー、私もそんな風に数学に没頭してみたかったぁ」って思うわよ。
なんとも変わった人が世の中にはいるものだ。絶対に一緒には住みたくないけれど、噂話が聞こえてくるくらい近くにこういう人がいたらいいのにな、そう思った。Paul Erdos氏は世界的に有名な数学者らしいが、なにしろ「Erdos Number 無限大」の私には、彼がどのくらい偉大な人なのかは実は今でもよく分からない。でも、なぜ今までこの人の名を知らなかったのか不思議になるほど、凄い(そして面白い)人だ。数学嫌いで「数字の話は絶対にダメ!」という人には向かないかもしれないけれど、数式の羅列なんか出てこないので(全部理解しようとしなければ)数学者が追いかけるいろいろな「謎」の話は、クイズを解くようで面白い。 ところで Erdos Number とは何でしょう? 答えはこの本の中。
83歳で亡くなるまで、定住地を持たず<BR>古びたブリーフケースに替えの下着とノートだけ詰め<BR>世界中を放浪しながら、一日9時間数学の問題を解き続ける<P>発表した論文は約1500<BR>最後は、組み合わせ論のセミナーに出席中<BR>問題を解き終え、次の問題に移ろうとした時倒れた<BR>そして、その午後息を引き取った<P>伝説の数学者の口癖<BR>「君の頭は営業中かね?」<P>と、戸口で開口一番数学の話を始めるエピソード<BR>史上最高の数学者にして、宇宙一の奇人<P>彼の放浪の背景に、ハンガリー国籍かつユダヤ人だったが故に<BR>国が守ってくれない概念を、幼児期から植付けられてしまう<BR>でも、エルデッシュは、奇才だったが<BR>人に対して悪意を持たず生涯を終えている<BR>彼の豊かな人間性が、彼の人脈に大きく関わっている<P>とても単純な考えだが、生涯打ち込める何かを与えられ<BR>全てを注ぎ込んだ生涯に、エルデッシュを好きにならずにいられない