一歩間違えればすぐにエラーを引き起こしてしまうマルチスレッドプログラムだが、本書はそんな難しいマルチスレッドプログラミングを簡単・明確に解説してくれる良書である。本書で紹介されている12のパターンを理解すれば、マルチスレッドプログラミングの基本は十分である。<BR>また、最初にマルチスレッドの簡単な説明が載っているため、マルチスレッドプログラミング未経験者でもお勧めできる。むしろ、マルチスレッドプログラミング未経験者にこそ読んで欲しい本である。
パターン導入の理由を極めて分かりやすく解説し、簡潔なサンプルプログラムを豊富に含む本書は、マルチスレッドプログラムの設計及び実装の際、多くのアイデアを提供してくれる。自習書としてはもちろんのこと、実際の現場で困難に直面した場合でも、あせらず気長に本書を眺めていれば、必ずヒントが見出せると思う。そのヒントを頼りに、自分のアイデアを実現したり、より高度な文献を参照したりする楽しみは、本書のような良書にめぐり合えた読者の特権である。ただし、マルチスレッドというテーマゆえ、本書はJavaによるプログラミングの入門書ではない。
このマルチスレッド編は、「java言語で学ぶデザインパターン入門」の姉妹本です。何年もプログラマーを続けている方でもスレッドを正しく理解している方は少ないと思います。volatileってなんだろう?synchronizedの同期って?と思っている方々、この本は皆さんに光を授けてくれることでしょう。ただし、java言語初心者の方には難しいかもしれません。私が薦めたい方は、javaは知っているがスレッドの経験は少ないプログラマーの方々です。