バリュー投資の本は最近、数多くある。<BR>いっぱい本を読む。「で、どうすれば株を選べるの?」<BR>それに明快な回答の一例をくれるのが、この本だ。<BR>一冊、読んでおいて損はない。
前著に引き続いて、バリュー投資について、とてもわかりやすく解説された良書である。ただし、前著が「資産」バリューの解説なのに対して、本書は「収益」バリューの解説である。さまざまな定量指標についての説明はもちろんのこと、著者の特徴である定性分析にも多くの紙面が割かれている。投資家心理についても言及しており、「資産」バリュー投資から次のステップに進みたい人におすすめである。
バリュー株投資のやり方についての解説本。限られたデータソースから如何に有用な情報を引き出すかという点が極めて簡潔に述べられている。また、定性的な分析などは下手な経営学書のレベルを超えているとも思える。ファンダメンタルズ分析の観点から、ある銘柄を買うべきか売るべきかの判断については、これに勝るものはないのではないか。全く正統的な投資指南書である。<BR>難点を強いて挙げれるとすれば、第一段階での候補銘柄選別のところか。「何故、この銘柄が無数にある銘柄群から選別されたの?」という点は不明だが、それくらいは、本人のノウハウなのであろう。そこは自分で考えろということか。