何が感動したかといえば、この本が翻訳されたことである。<BR>10年近く前にサンフランシスコでこの本を見つけた。標準的なライフサイクルの考え方に、新たな視点を付け加えてくれており、その前後に国内では、今で言うデジカメが鳴り物入りで登場したにもかかわらず、次々と大コケしていた。その説明をキャズムですることができたというのは言うまでもない。<P>その後数年たってから、ダラス空港にある書店でペーパーバックとなっていたこの本を見つけ、「どうして日本では刊行されないのか」と思った記憶がある。売れに売れている「ザ・ゴール」には、著者の翻訳拒否もあったということであるが・・この日本の出版社を尊敬します。
誰でも技術者であれば「最先端技術を駆使した製品だからといって売れるわけではない」ということは経験的に理解していると思う。しかし、それがなぜなのかについては、私自身はあまり考えたこともなかった。本書はこの問いに明確な答えを与えてくれる一冊だと思う。スタンフォード大学などの多くのMBAコースにおいて授業にも用いられている本ということで、さぞかし小難しいのだろうと覚悟して読み始めたが、あまりの面白さに寝る時間も惜しんで一気に読み進んでしまった。日本に紹介されるのがあまりにも遅すぎた感もあるけれど、ハイテク技術関係者、特にあまり予算のないベンチャー企業は必読の一冊だと思う。
ハイテク製品を法人市場に向けて売ろう、という立場の人にとっては必読の書籍だと思う。<P>典型的な失敗のパターンを具体的に提示した上で、なぜそのパターンが繰り返されるのか?それを防ぐにはどうしたらよいのか、についてものスゴイ具体的なアドバイスが書かれている。<P>一言で言えば、最初に商品を買ってくれる企業と、はずみが付いてから買ってくれる企業というのは、まったく購買の基準が異なるので、市場を切り開くときと、ある程度立ち上がった市場で商品を拡販するときとでは戦略を抜本的に変えないといけない、というそういうアドバイスである。<P>IT関連市場におけるマーケティング戦略の立案・実行に携わる機会のある人に加えて、いわゆるソリューションをネタにビジネスしている人にとっては必読の一冊だと思われる。