広大なインターネット世界の中で、著者のばるぼらさんが関心を持ってきた領域について、比類なき情報量を詰め込んだ史書です。記録魔の著者が長年蓄積してきた情報に基づき、固有名詞と時日をきわめて重視した記述を特長としており、非常に高い信頼性を誇ります。マニアにはたまらない1冊。<P>タイトルの「教科書には載らない」とは、企業主体のトピックを基本的に扱わず、個人ユーザの活動を中心に歴史を語ったことの表明です。しかし個人ユーザの活動について網羅的に扱っているわけでもないので、要注意。例えば「メルマガ」「オークション」などの記述はありません。<P>著者の名を知らなかった方は、「ネットニューズ」「WAREZ」「巨大掲示板群」「個人ニュースサイト」「テキストサイト」「ウェブログ」「P2P」「動画・FLASH」「パソコン通信」「草の根BBS」という10個のキーワードをご確認ください。これら全てに縁遠い(遠かった)方には、お勧めできません。<P>本書の記述は読み物としてはいささか簡潔で、固有名詞の比率が高すぎます。まさに「歴史教科書」。副読本や親切な講師が存在しない現在、本書を楽しく読むためには読者自身の体験や興味関心で行間を補う必要があります。「何を語るか」という点で著者の個性が強烈に出ており、注意が必要です。<P>ところで本書は一部、たいへん読みにくいレイアウトとなっています。そして巻末に索引がない。本書の狙い・概要も書かれていない。この編集には怒りを覚えました。なお、日本のウェブ日記・ウェブログの一般的な歴史を読みたい方には「ウェブログの心理学」を勧めます。
日本のインターネットをネットコミュニティーの観点から見て書かれた本です。<BR>ネットが広がり始めたころのお話、個人サイトの歴史を扱っておりその他の話はほとんどありません。<BR>よく本屋とうで見かける、○○の全て、△△大全とかそういう本を読んで、アレも載ってない<BR>コレも載ってない、と嘆いていた人、不満を持っていた人を(多分)満足させてくれる情報量です。<BR>不正なプログラムの歴史など、いいのか?こんなこと載せて、と思うようなことまで扱っています。<BR>500ページという飽きてしまいそうな量ですが、読んでいると自分がよく見ていたサイトがでてきたり<BR>ひょっとしたら自分のサイトとかもでてきたりして止められなくなります。<BR>この量ではありますがかたくなって読む教本ではなく、あくまで楽しんで読むことができる本です。<BR>もちろんハンドブック的な読み方をすることもできます。
「教科書」と名の付くものをこれほど熱心に、しかも楽しく読むことになるとは!