何をおいてもこの漫画の素晴らしいところは、実際に戦争・原爆を<BR>体験した作者が真実を描き出している、ということだと思います。<BR>それゆえに物語からにじみ出る作者の信念のようなものはすさまじく、<BR>暇つぶしに漫画喫茶などで読むような作品ではありません。<BR>戦争が終って何十年もたって、戦争体験を語れる人も減り、今年は<BR>戦後60周年でいろいろあるようですが、TVで特集が組まれることも<BR>少なくなっていく中で、このような色褪せない漫画というのはとても貴重だと<BR>思います。
反戦・反核漫画として有名な作品ですが、けっしてそれだけではないです。<BR>原爆投下後、戦後の混乱の中で、ゲンが仲間たちと助け合い、夢をもち、恋をし、やがて絵描きになるという目標を見つけて、立派に大人になってゆく様子は、青春群像劇としても楽しめると思います。<BR>戦争の悲惨さ・繰り返してはならないというメッセージと共に、どんな状況下においても前を向いて強く生きてゆくこと、夢や希望をもち続けることを伝えてくれる作品です。<BR>純粋な熱血漢のゲンもいいですが、個人的にゲンの弟分の隆太が好きです。ひょうきんで明るい反面シビアな現実派、そのへんの侠客より仁義に厚く肝も座ってる。オトコマエ。
大昔、少年ジャンプという雑誌に、「アストロ球団」や、「トイレット博士」などの連載と同じ頃にこの漫画が連載されていたような気がします。その頃は、なんでこんな漫画が連載されているんだろう?と不思議でした。特に、放射能の人体への影響の場面とかが不気味で、恐怖マンガみたいな感覚で眺めてました。<BR> でも、今、これは絶対に読んでおく傑作だと思います。戦争の悲惨さとかだけでなく、生きることの辛さ、尊さ、そして明るさ・・・。<BR> この漫画を読んで、何も感じないという人はいないはずです。