現在、外資系の金融機関で働いていますが、非常に参考になりました。<P>バリュエーションの教科書は翻訳もの・学者ものが多く、「日本語なのに何が書いてあるのか、いまいち分からない」ものばかりですが、この本は例として出てくる企業が日本の会社だし、著者の方が仕事で実際に経験したことが流れにぴったりで、一気に読めます。この本は使えます!次は洋書のバリュエーション本に挑戦したいです。
実際にM&A等で企業価値を推計する目的で使用する場合にお薦めします。マッキンゼーのvaluationや企業分析入門(東京大学出版会)といった類書は多く出ていますが、読み比べてみますと、これらの中でも本書は最も実用的な一冊であり、初めて企業価値評価に取り組まれる方にとっては先ず読むべき一冊と思います。
企業価値はどのように測れるのだろうか?測れるとしたらどのような尺度で?算定された数字の根拠は?そもそも、同一内容・環境の企業は二つと存在しないのに、企業を統一的なモノサシで測る事など可能なのだろうか? この疑問に答えたうちの一冊が本書である。<P>他のレビュアー諸氏も書いているように、本書の提唱する算定方法は至ってシンプルなものだ。シンプルなるが故に実務で使いやすいし、算定の根拠も分かりやすい。<P>一般に、学術的な本は理論的だがそれが現場でどのように使われるのかイマイチイメージを喚起し難いものが多い。逆に実務家向けのハウツーモノは即物的で便利だが、体系的説明を欠き背景の根本原理をきちんと説明しているものが少ない。本書に限らずこのシリーズは、学術と実務の!渡しを上手くしており、両者の隙間を埋めている好企画だと思う。