この本は株式投資でテクニカル分析で勝つために書かれた本ではなく、テクニカル分析で負けないようにするための本です。<BR>いかにして負けを少なくするかということを重点的に書かれています。<BR>損ぎりの重要性についてしつこいぐらい丁寧に書いています。<BR>大損をすれば市場から退場しなければいけないので、長く投資を続けていきたい人にはぴったりです。<BR>脚注や用語の解説まで丁寧に出来ていて著者の繊細さや初心者への気配りが感じられます。<BR>トレンドフォロー系の指標を重点にかかれていて、基本的なローソク足や移動平均線の見方がマスター出来ていない人には参考になるでしょう。<BR>一目均衡表などの著者が重要とする指標は日本においては重要な役割を果たしているので読んで損はありません。<BR>オシレーター系の指標は否定されていますが「投資苑」という本を読めばフォローできるでしょう。<BR>それに「投資苑」においてもオシレーター系の指標はよく間違ったシグナルを出すということが述べられており、まずはトレンドフォローを理解するべきということを感じました。<BR>移動平均線乖離率とか難しい指標を使用する前に、この本で基本をマスターしてよかったです。
私はテクニカル中心で株歴8年になりますがこの本は一言でいえば初心者向けです。ある程度の実績を出しているトレーダーは物足りないでしょう。少しがっかりでした。最後には自分でみつけた儲け方は公にはしないから自分で探せというような文面があり、またもがっかり。<BR>しかしこれからテクニカルで売買しようと思ってる初心者にはわかりやすく良いかも。
儲けることよりも「損をしない」ことに重点を置いた、非常に実務的な株式投資入門書。自分が危ない局面に入ったらとにかく逃げることが大事で、「危ない」ということを知るためにテクニカル分析が必要だと説く。とかくいかがわしさが付きまとうテクニカル分析だが、この本を読むと、テクニカル分析はディフェンスという目的のために合理的に使うべき道具だということがハッキリわかる。ファンドマネジャーとして痛い目にあった実体験に裏打ちされた、実務的な株式投資の教科書として読み応えがある。「逆指値取引」が決して「逆」でないという解説も非常に参考になる。