旧暦を用いた暮らしで、心が落ち着くというのは著者の勝手ですが、旧暦が日<BR>本の自然にマッチした暦だと力説している点に勝手な思いこみや誤解があり、<P> 「旧暦を用いると・・・」<P>といいながら、旧暦の仕組みがよくわかっていらっしゃらない御様子。<BR>内容を見ると、小林弦彦氏の「旧暦は暮らしの羅針盤」が種本になっているよ<BR>うですが、この種本自体が間違ったことを書いているので致し方ないでしょう<BR>か。<BR>中でも、「二十世紀に入って閏月が夏に集中し、夏が長くなっている。四千年<BR>前に生まれた旧暦が現在の温暖化の様子を予言している」なんてことを書いて<BR>いるのにはびっくり。十九世紀後半から閏月が夏に多くなってしまったのは暦<BR>の計算方法が変わったからで、気候変動の予言などでないことくらい、旧暦を<BR>語るなら押さえて置いて欲しいところです。<P>結局旧暦ってステキと、雰囲気だけで語る本。旧暦に関する誤解をまき散らす<BR>本ですね。
著者のことは、最初NHKラジオの出演で知りました。そのときは、スローライフがテーマでした。農文協の雑誌、現代農業でも著者の記事があったので、この本を読もうと思いました。<BR> この本は旧暦をわかりやすく解説し、旧暦がいかに自然を反映し、人間生活を豊かにしてくるかを紹介しています。わたしの仕事は農業ですが、毎年作物の植え付けの時期が違う、今年はどうか、来年はどうかと悩みます。それは、現代の太陽暦で考えているから。旧暦で考えると、ぴったりと一致する。中国では旧暦のことを農暦とよび、いまも現役で活躍しているそうです。<BR> 農業とは限らず、自然の移ろいを感じるための、一つのツールになります。
よく、小売店などでは「販促カレンダー」があり、また外食産業では<BR>「季節のメニュー」なるものが存在します。<P>しかし、これらは旧暦を意識してつくられたものではないです。<P>日本だけがこうした意識が希薄なのは残念です。(除く沖縄)<P>基本的な季節感がなくなっていくということは長期的に観れば<BR>教育的な面でも、また心の不安定な社会・犯罪の多い社会を<BR>増徴するような気がしてなりません。