他の話については他の方に任せて、個人的お気に入りの「見つめる者」についてだけ書きます。<BR> 軍の魔導士リーテ・トリジコンは若い女性。現在の任務は「廃棄王女」の観察と報告。<BR> しかし、毎日カスール姉弟妹を見つめるうちに、リーテはある感想を抱くようになる。カスールの双子と廃棄王女は血が繋がっていない。孤児院育ちの自分とどこが違うのか。なぜ彼らは家族でいられるのか。双子は任務のためだけに育てられたのか。自発的に妹を守っているのか。<BR> ただの目が意志を持つようになり、そして行動に出る、という話です。<BR> ううん、さすがパシフィカの影響力という感じです。外から見ると三人がちょっと違った感じですね。<BR> 短編なのですが、長編を読んだような充実感があります。ある意味、すてぷりの世界がここに収束していますね。<BR> バシバシッとすてぷりの初期の日常を切り取って、一番ドラマティックな部分を見せた感じ。一番劇的な部分だけが描かれているのは、短編ならではですね。<BR> そんな凝縮した短編です。<BR> もちろん、他の話も面白いですよ。登場人物もテイストも右から左までずらずらっとそろえた感じです。
連載中の日常のひとコマや、連載終了後の後日談が収録された短編集。<BR>シャノンの性格が変わってしまう『スーピイ君の日』、パシフィカたちを監視する者たち側からの一人称で描かれた『見つめる者』、クリスとネレイディアのデート模様『少女は弱し。されど――』、折れてしまったカタナを見て、己の存在を考えるゼフィリスの話『剣の意味』。全四篇収録。<P>ついにスクラップド・プリンセス完結です。<BR>本編はもうすでに完結済みなのですが、文庫が出るのはこれで最後ということで、本当の意味で完結ともいえるかもしれません。<BR>一度完結してしまった作品は、大体そこで終わりなんですが、すてプリは割と短編の方で後日談が描かれていたので、個人的にはかなり嬉しかったです。<P>三編は雑誌掲載作品ですが、書き下ろしの『剣の意味』はメインキャラ大集合な感じで、最終的にはシャノンとゼフィリスでオチになっています。<BR>個人的には成長したクリスがイラストつきで見れたのでちょっと嬉しかったです。