ハッキリ言って、訳が最悪です。<BR>書かれている文章の意味が理解できないために、分からない言葉は、全てカタカナで表記したか、もしくは、一般会話の中でも、カタカナ言葉を多用するのがカッコイイと思っている、鼻持ちならない奴が、訳をしたとしか、思えません。<BR>(ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」)という書名とは裏腹に、書籍としてのユーザーエクスペリエンスについては、考えられていない、という笑える本です。<BR>内容を理解した上で日本語訳ができる人による本だったら、間違いなく星5つです。
ユーザビリティとウェブ開発の実践をテーマとした、ウェブデザインの中・上級解説書です。<P>本書は、目先の具体的な問題に対処する指針を与えません。説明の都合上、僅かに具体例を示した箇所はありますけれども、基本的には抽象的な概念を整理して示すことに主眼が置かれています。そう、本書はデザイナーの抱える膨大な量の問題を腑分けし、きちんとプロセスの中に位置づけていく方法を示す、メタ・ユーザビリティ解説書なのです(私の読み違えでなければ)。<P>著者は様々な問題とその解決のために持ち出される概念を「戦略、要件、構造、骨格、表層の5段階」に配置し、できる限り一貫した流れの中でプロジェクトを進めていくための考え方を提示しています。このような発想と分類法は、幅広く応用が利きますが、「理屈は理解しても実行が伴わない」のもよくある話。だから、やれば勝つ……のだろうな、と思いつつ読了しました。
デザイナーとは、ディレクターとは、いったい何をどこまで追求すればいいのだろう?開発と制作の境界線は?静的ページの情報ページとウェブアプリケーションのインターフェースデザインは誰が決めて誰が作るの?<P>といったようなウェブの構築に関する様々な疑問に対して、自分独自のノウハウをつちかっている中で、この本はその考えをすっきりとまとめてくれました。知っていて分かっていたけど、どう言葉にしていけばいいのか、なんとなく分かっていたウェブの構築のプロセスや、デザインについて、開発者の立場から、制作の現場から、また戦略の立場から、どの立場の人にも、読みやすく書かれています。<P>英語版、Jesse James Garrett のウェブサイトとあわせてみると、理解が深まります。