この本は本家アメリカで出版された物と表紙が違います。<P>いきさつは知りませんが、こちらの方がターシャファンには評判が良いそうです。なかなか挿し絵が完成できずに、編集者をハラハラさせたそうですが、一気に何十枚の絵を描きあげたターシャさんの集中力は脱帽ものです。別の本の解説でコーギービルフェアとは、タッチが変わっているのでターシャさんの眼が悪くなったのだろうかと言う批評を読んだ事があります。ターシャ・テューダー展で原画を見たときも、確かに大分ラフな印象を受けましたが、時間がなかったと言うのも、一つの理由のようですね。じっさいにアライグマを生け捕りにして、スケッチをしたと言う事なので、可愛らしさの中に確かなリアリティが感じられるのも”見たものしか描かない”と、いうターシャさんの信念のなせる技かも。コーギービルフェアを持っている方は、ぜひ読んで欲しい一冊です。また、この本の挿し絵のケイレブくんがテーブルに座っている挿し絵はターシャさんの最も気に入っている作品の一つだそうです。
動物達が楽しく住んでいる村コーギビルでは、急にぞくぞくとコーギビルに集まり始めたアライグマ達の不審な行動が目立っていた。探偵事務所を開いているコーギ犬のケイレブは、油断ならないアライグマ達をマークすることに。<BR>そんなある日、コーギビル村の名物の、立派な雄鳥のベーブが誘拐されてしまう!ケイレブは探偵の名にかけてベーブ救出に挑む。・・・<BR>19世紀の生活スタイルを徹底しているターシャ・チューダーだけあって、このコーギビルにも懐かしい昔の情緒あふれる景色が広がっています。のどかな村に突如起こった誘拐事件、探偵のケイレブと一緒に事件解決に挑んでいるような気分になります。