丘をたくさんこえた、そのまた向こうにねずみたちが走り回り、壁にきつつきがたくさん穴を開けている古い古い家がありました。<P> 古い家に住む子どもたちセスとべサニーとマフィンは、クリスマスが近づいている静かな冬の夜、暖炉の火でリンゴを焼き、おばあさんの昔ばなしに耳を傾けています。おばあさんの声とともに聞こえてくるのはねずみの足音。<P> クリスマスがくるまで、子どもたちは学校や家や自然の中でどのように過ごすのでしょう。森の小みちやウィンスロップの丘や小川でにぎやかに遊んでいるうちに季節は少しずつ移ろってゆきます。<P> 針葉樹林から切り出される樅ノ木、子ども達にとって夢のようなクリスマスが訪れます。ねずみたちもクリスマスプディングのおこぼれにありつくのでしょうか。<P> 子どもたちだけでなく、小さな小鳥やねずみたちをも明るく照らし出すクリスマス絵本。ターシャの初期傑作絵本、ターシャ・テューダークラッシックコレクションの一冊。輝く雪景色の中から妖精が飛び出しそうな美しい絵本です。
ターシャ・テューダーの大好きな私の評です。<P>でも、キラキラと大騒ぎして、大きなプレゼントが飛び交うのがクリスマスの昨今の風潮・・・・それはそれで、ひとつの形ですが、ターシャのクリスマスはオールド・アメリカン、昔ながらの静かなクリスマス。(子供たちが幼稚園のときに「しずかなクリスマス」という歌を歌ったのをおもいだします。息子はジングルベルよりも好きでした・・・・)<P>古いスタイルのままに、質素に優雅に暮らしている、彼女の生活と重なってきます。静かに開いていると、しみじみ暖かくなる小さな絵本です。ターシャの優しい絵本です。