電撃ホビーマガジンの看板企画アドバンスオブZの総集編。1冊にしてもらえると買いやすくて良い。しかし内容が連載そのままなのが残念。ページなど細かいところに配慮してほしかった。またヘイズルヘッドの作例などがのっていたがこの本の発売時には入手困難であった。だからこそこの本からのファンのために付録につけるとか通販するとかしてほしかった。
UC0083に起きたデラーズ紛争は地球連邦政府にジオンの脅威を再認識させ、連邦軍には精鋭部隊ティターンズが結成された。<BR> 憧れのティターンズへの入隊が許可されたエリアルド・ハンターは、ブラックオター小隊に所属し、新型機のテストと、ジオン残党討伐の任にあたる。誇りをもって戦う彼らだが、何も知らされずにUC0085年7月、30バンチで作戦行動をするように命令を受ける。<BR> さて、模型誌独自の展開というと、『タイラント・ソード』や『ソロモン・エクスプレス』のようにデザイナーの個性が発揮され、一つの作品として大きなサスペンスが提供される反面、元来の世界観から逸脱していたり、サイドストーリー独自の視点で世界観を組みなおしたりしており、ファンを選ぶ傾向がなきにしもあらずであった。<BR> しかしながら本作では登場するMSは『0083』と『Z』のミッシングリンクを繋ぐものとしてオフィシャルな設定にある『30バンチ事件』などをストーリーに盛り込み、登場するMSも、その間の穴を埋めるように、一年戦争の機体を改修した『0083』のMSをさらに『Z』の時代に近付けた手堅い仕上がりとなっている。このため、本作に登場するMSは、既存のキットに流用パーツを用いたり、カラーリングの変更など比較的小改造で再現できる。また初歩的なHow toものの記事が載っているあたりは初心者にも配慮をしているといえる。<BR> 地に足のついた展開をする本作だが、地味でつまらないということはない。ティターンズテスト部隊ということで、今までにない解釈のカラーリングやおしゃれなマーキングなどが設定され、CG彩色されたMSのイラストは、清潔感ある光沢で彩られ、カメラセンサーの発光までも描き込んでおり、バーチャロイドを思わせる斬新さがある。このような表現や、サイドストーリーのMSをさらに発展させた設定は、MGなどのキットも出揃った21世紀の今だからこそできる企画であるといえそうだ。<BR> 今後予想されるエゥーゴとの戦闘やグリプス戦争などが楽しみである。
「機動戦士Zガンダム」の外伝的ストーリー。本編では敵役であったティターンズ内のMSテストチームに配属された若き兵士達の栄光と挫折を描く。フォトストーリーを軸に、デザイン原画と模型作例によりイメージを構築していく様はまさしくセンチネル的手法論。Vol.1では依然、ジオン残党軍の掃討戦がメインだが、主役機たる新ガンダム・ヘイズルの活躍も見所。今後予想される可変MA群での戦闘にどうからんでいくのか興味は尽きない。