冲方丁氏の著書が好きでファフナーのアニメ自体のほうも<BR>かなりつっこんで見ていたのだが、本書は賞賛しかねた。<P>一応、登場人物の感情表現や戦闘の細かい描写等の冲方節は発揮されていた。<P>ただ内容には以前の著書に比べて文章の書き方が鼻につく部分が多く、<BR>アニメの細かい部分まで把握していないと初見の人には<BR>とっさにイメージできないであろう難解な語句もあった。<P>登場人物に至ってはもうアニメとは別人の域。<BR>アニメのキャラが好きだった読者は衝撃を受けるかもしれない。<P>そして最大の問題点は致命的なボリューム不足。<BR>筆者の強烈な表現に反し、物語はかなり中途半端な構成。<BR>本書で最も重要と思われる部分の描写もうやむやで終わっている。<P>アニメのスタッフとの衝突等で著者の書ききれなかった部分、<BR>修正したい部分を世に出した本なのかもしれないが、<BR>続編がでるならまだしも一冊の小説としてはあまりにも消化不良な一品。<BR>何故もっと満足のいく形で出してくれなかったのか悔やまれる。<P>もし興味をもって冲方丁の小説に触れてみたいと思ったならば、<BR>「マルドゥック・スクランブル」を読んだほうが断然面白い。
同タイトルのTVアニメシリーズの小説版です。<BR>原作者でもあり、シリーズ後半から脚本も手がけた冲方さん自身が作者なこともあって、TVアニメシリーズのファンであれば間違いなく楽しめます。<BR>TVの前半に不満を感じている人には特にオススメで、かなりのストレスや疑問点が解消されると思います。<BR>ただ残念なのは長い物語を1冊に収めている都合上、無難なところで着地している処でしょうか。(メインに据えた、一騎・総士・真矢・翔子・甲洋以外の大多数のキャラクターは名前すら出ませんのでご注意を)<BR>贅沢を言えば、3~5冊くらいのボリュームで読みたかった作品です。
小説版はアニメと違う設定な部分があり最初戸惑いましたが、<BR>総士や、何を考えてるのか判らなかった一騎の心情が書かれていて面白かったです。<BR>少し壊れ気味の一騎も堪能できます(笑)<BR>アニメ版第1話では総士と一騎はあまり会話をしませんが、小説版はアニメより少し総士が明るく、<BR>最初から会話を持ちかけて来るのが印象的でした。<BR>アニメを見ていない方には、この小説は完結していないのでおすすめ出来ないかもしれませんが、<BR>アニメでは特に気にならなかった翔子と一騎、それに甲洋の関係が丁寧に書かれていて<BR>ファンにとっては、納得して読む事が出来るのではと思います。<BR>すべて読んで行く中、面白くないと思った場面はないので<BR>ファンならば買って損は無いと思います。