こういう系統の本は初めてなので比べることが出来ないのですが、<BR>非常に丁寧で、ある程度のわかりやすさも兼ねており、<BR>なにより、文体が堅苦しくなく、むしろ、実際に講習を受けているかの<BR>ように面白い物です。<BR>意外と分厚い本ですが、読もうと思えば、一日で半分行けます。<BR>しかも内容は、文章構成、推敲の仕方、構成の組み方など、<BR>初心者にとっては重要なことばかりです。<BR>すでにそれなりに勉強している方には物足りないかもしれませんが、<BR>初めての方には、是非ともお勧めしたい本です。
思いつきの文章をつらつらと並べ、それを堂々と「小説」と思っていた自分が、第三者にそれを読んでもらって「わかりにくい」と言われ続けていた理由が、この本に出合ってからよくわかり、恥ずかしく感じました。たった1週間できちりとした技術を楽しく、飽きさせずに教えてくれるとともに、これから小説家になろうと思っている読者に「書きつづけることの大切さ」をしっかりとたたきこんでくれる本です。<BR>何より、著者自身が小説の大ファンであるということから、小説への熱い想いがひしひしと伝わってくる。<BR>単なるメソッド本としてだけでなく、読者に「あなたは小説家に本気でなれる、なってほしい」、と思わせる{大事な手紙}のような一面もあり、読み物としても十分楽しめます。
まず、印象についたのは、著者の独創性が大いに表れている本であるということだ。「小説を書くための手引書」という形ではあるが、書かれている文章の一文一文が文学作品的で、個性的な解説文である。しかしそれで読みづらくなることはないし、一章一章の内容も濃いものとなっており、小説を書く上での知識は十分に得られるものであり、情報量としても満足のいくものである。<P> ただ、一週間でマスターという題名のようにきちんと七日分けされて解説されているが、一日分の量が少し長いようにも感じる。自由でのんびりとした生活を送っている人にはもってこいかもしれないが、一般に働く若者にとってはなかなか読む暇もないだろう。そういう面から考えれば小説を書くために即戦力を得られるものではなく、じっくりと時間をかけて技術を習得していく方向きという感じもする。<BR>また、順に一日目から読み進んでいくという形なので、拾い読みしにくいという点もあるように思えた。<BR> 小説を書くのはじっくりやるものだというのが大前提にあり、基本的な技術などを根気よく習得していける方向きの本である。