研究発表などで行うプレゼンスキルを上げたい、そう思って本書を読んでみたのですが、ちょっと期待はずれでした。<P>本書はオムニバス形式となっており、各著者が自分のプレゼン論を語るというスタイルになっています。オムニバスと言うことで、人によっては正反対の意見を言っていることもあるのですが、どの意見も納得できるものであり、また人それぞれのプレゼンに対する姿勢・哲学が感じ取れるため、読んでいて非常に面白いと思いました。<P>ただ、主に広告代理店の人が書いているということもあり、対象としているプレゼンも、広告代理店の人がクライアントに行うプレゼンがメインです。そのため、すぐに応用できないばかりではなく、まったく関係ない仕事の本を読んでいる感じがしました。<BR>同じプレゼンでも業種によってまったく異なり、私が行っている研究発表のプレゼンと、本書に書いてある広告代理店のプレゼンは違う仕事だと感じました。そのため、私の仕事に応用できるかと言われると、疑問を感じざるを得ません。<BR>また、実際に言葉で説明されても、その場が想像できないという問題もあります。広告業界のプレゼンを見たことがないため、いくらプレゼンに対しての説明を受けても、なかなか伝わりにくいという問題があります。<BR>企画書とかが所々に載っているので、広告業界のプレゼンを知っている人にとっては問題ないのですが、私にはどうしても現場を想像できなかったことが残念です。<P>もちろん、個別のテクニックではなく、プレゼンに対する姿勢や精神論に関する部分は応用できるのですが、最初の期待が大きかった分、残念です。<P>研究発表のプレゼンスキルを上達させるという目的達成はできませんでしたが、1つの読み物としてみると、面白い本だと思います。レイアウトも凝っており、それぞれの話はさすがプロだと思えるようなものばかりです。
広告の世界など全く知らなかったが、中々読ませる本。<BR>その道のプロ達が成功した秘訣は、詰まるところスムーズな対人関係の構築と見た。これは一つ業界の人達への指針たるのみならず、一般人が円満な社会生活を送る上での良きガイドラインともなりうる。マナーの変てこな「ハウトゥー物」を読むより遥かに役立ちそう。
業界人だけでなく、一般社会人が、対人関係をスムーズに過ごして行く為のキーポイントがぎっしり詰まっている。流石に業界リーダー達の着眼点は凄い。が、整理すれば結局は人と人との関わり方に尽きるよう。<BR>対人関係が希薄になりつつある健在、特に若い人、又業界に無関係な人に読んで貰いたい本。沢山でている俗に言う「マナー本」等よりよっぽど内容が濃い。ビジネス本としてのみ分類せず、同時に対人関係を円滑にする「マナー本」として分類しても、そのバイブルとして効能も高い。