コレはとにかくこういう本だ。<BR>出版されるべくして出た本というべきか。<BR>ルサンチマンの集積が芸の域に達していて面白い。<BR>まったく、見事としか。
大量のレビューがあるが、当然のことながら、<BR>読む人の性別と立場で意見がはっきり分かれている。<BR>筆者の意見はオタクな男性には深く同感できるだろうが、<BR>女性や非オタクには極端すぎてとても容認できないだろう。<BR>そもそも、筆者は理解される事は望んでいない。<BR>こうやって本が売れて世間が反応する事が筆者の望みなのだ。<P>女性のイケメン好きを非難する筆者自身が、<BR>かなり女性の容貌に拘っている事は、誰でも気が付くことで、<BR>それが本書の主張を弱めているのは間違いない。<BR>筆者以上に自分の容姿にコンプレックスを持っている女性は山ほどいるだろう。<BR>また、筆者の悲惨な過去と極端な性格は、<BR>筆者がモテナイ理由が容姿以外にもあるのではないかと思わせる。<BR>筆者が自分の話をしすぎる事が逆に説得力を削いでいるような気がする。<BR>もっとも、そうでなければあれだけ熱くは語れないが。<P>ともあれ、「電車男」よりも面白いことは間違いないだろう。
この電波男にでは「もてない」事自体は、実はどうでもいいこと。<P>醜男がもてない事を通じて女性の醜さを知った。<BR>そして「真実の愛」が紡ぎ合える相手も限りなく0に近いと分った。<BR>その現実認識と、そしてそうなった原因を探り、<BR>そしてそんな時代に「真実の愛」に対する渇望を<BR>「モテナイ男」でも十分に可能な方法で満たす方法の考察。<P>これが本書の骨子である。<P>この本が救おうとしているのは実はモテナイ男限定ではない。<BR>「人を出来るだけ傷つけたくない、人としての尊厳を認める」<BR>という価値観(真実の愛)を美徳とする人間に対して、<BR>「汚れきった社会(拝金主義、容姿主義、利己主義)」<BR>との対処術の一例を示している本なのだ。<P>あくまで「自分は汚れに染まらない」という姿勢を貫いた上での。