「マイルスを聴け」は私のお気に入りの1冊ですが、これも、面白く、かなり良いところを突いているように思います。特に、悪役「マイク・ラブ」は、正しい見方です。ペットサウンズを録音する際も、マイクは、ブライアンに抵抗した上、ペットサウンズボックスを発売するのにも抵抗したお陰で、発売が1年延びた経過があります。理由は、曲作りに自分も参加したから、それなりの印税を要求したのです。発売後はうって変わって、ペットサウンズは自分たちの傑作だ!とのたまう位です。有名な「スマイル」の企画がボツになったのも、マイクが、ヴァン・ダイク・パークスの詩が納得できないと食って掛かり、邪魔をしたお陰でブライアンは、暗黒の時期に入る事になったのです。決してビートルズの「サージャント・ペッパーズ」が先に発売されたからではないのです。悪人マイク・ラブの批評は、正しいのです。
どこのBB5物の紹介本を見ても、大体ブライアン・ブライアンです。その点、このBB5物は、作者の鋭いご指摘がありますが、よくも悪くも、マイクさんにスポット当ててくれたことがうれしいのであります。でも、私は、カールさんのファンです。カールさんのソロ2作は二つとも良いですよ。レーベルはカリブ。1981年と1983年にリリース。そして、ある年に。もったいないね。ありゃ、これは、カールさんのご紹介ではありませんでした。
ビートルズの本もそうだったけどこの人の本って中立的な視点で書かれていないですね。それが著者の信念で、それを曲げて書かないというのであればそれはそれで結構ですが、やっぱり鼻につきます。マイク・ラブが嫌いだとか、この考えに合う人向けです。