北海道東海大学の織田憲嗣氏と双璧をなす椅子研究家である著者に<BR>よる北欧椅子デザイナーの紹介本。ちなみに織田氏は著者を "椅子<BR>の世界に導いてくれた師" と敬っている。<BR>何より嬉しいのが文庫本という手軽な媒体でミッドセンチュリーを<BR>代表する椅子デザイナーを紹介してくれているところだ。<BR>取り上げているデザイナーは "ザ・チェア (Round Chair #501)"、<BR>"Yチェア (ウィッシュボーン・チェア)" などで有名な「ハンス・<BR>J・ウェーグナー」、"セブン・チェア"、"エッグ・チェア" など<BR>名作を挙げればきりがない「アルネ・ヤコブセン」、ウェーグナー<BR>の盟友「モーエンセン」、斬新なデザインの「フィン・ユール」の<BR>4人。<BR>いずれも単に作品を並べただけではなく、その生涯や所属した企業<BR>をはじめとした背景にまで掘り下げているところが素晴らしい。<BR>また、冒頭に触れた織田憲嗣氏がフィン・ユールとの交遊録を寄稿<BR>しているのも見もの。<BR>五ッ星評価:★★★★☆
ハンス・ウェグナー、アルネ・ヤコブセン、ボーエ・モーエンセン、フィン・ユール。四人は椅子が好きな人の間では名前を知らない人がいない事でしょう。そして、この本を手にするであろう人はもうすでに椅子が好きなはずですよね?だから特に解説もいらないはずです。フィン・ユールの椅子はアームが美しい。僕も心からそう思います。そして、後ろ姿が美しいバックシャン。その面白い表現が印象に残りました。
美しさを感じる「椅子」とはどんなものだろう?と手にとられる方がいらっしゃったらぜひ購入していただきたい一冊です。国内での椅子研究者として知られる島崎信教授が特に力を入れられているデンマーク製の椅子。その中でもミッドセンチュリーの巨匠として名高い四人を取り上げその歴史や作品をコンパクトに文庫に収めたのは見事です。マニアの方もそうでない方もぜひぜひ。