50~60年代の米国ビート・ジェネレーションを超える作品がついに日本から生まれた!という感じがした。<P>レイヴ・パーティーを追いかけて世界各地を旅しつづける著者が、ドラッグ&セックスを通り抜けてダンスの先の希望へと辿り着く。そこまでの過程が乱雑な文体でリアルに描写されている。生き生きとした登場人物たちとの会話も魅力的だ。<P>主人公とともにその場に居合わせたような臨場感。無駄のない言葉選びと、タイミングよく飛び出す笑いのエッセンス。感動的な出会いと別れ。行間から溢れ出すエネルギー。<P>旅好き、レイヴ好き、そしてすべての日本人にお勧めする特選の一冊。
読みはじめたら止まらない! ベッドの中で読みはじめ、どんどん目が冴えてゆき、気がついたら窓の外は明るくなっていた。こんなの久しぶりの経験だ。<P>文字を追っていくだけで、主人公とともにその場に居合わせたような気分になる。感情移入して、体験を共有できる。登場するのは一見、だらしのない不適格者ばかりだ。けれど偏見や先入観から開放されれば、彼らの中にこそ我々が失くしてしまった純粋で真摯で野蛮で愛らしい感情や感性が残されているのだと気付くはず。<P>これを読んで単純にジャンキー日記としか感じられないとは……。ま、一般的にはそうなのかねぇ。<BR>とにかく読んでよかった。友達にもじゃんじゃん勧めてます。
本当に面白かった! <BR>スラスラと読み進められるだけじゃなく、言葉のひとつひとつから主人公や著者の、レイヴやダンスに対する熱い想いが伝わってくる。ダンスフロアで大汗かきながら大地を踏みしめるこの感覚。レイヴでしか味わえないと思っていたこの感覚が、文章に引き込まれていくうちにいつの間にか自分の中に沸き起こっていた。<P>法律や世間体や常識ではなく、自分が正しいと思ったことをどこまでも信じ続ける潔さ。知識ではなく経験を、思考ではなく感性を拠りどころとしてどこまでもフルオンで立ち向かっていく主人公に拍手をおくりたい。<P>これは単なる物語じゃない。ふにゃけた時代に生きるぼくたちに、あるひとつの生き方を提示する名著だと思う。