表紙の大げさなタイトル、吉田戦車の胡散臭いイラストにつられて買ってしまいました。<P>少年犯罪、ひきこもり、少子化、年金などの俗耳に入り易い言説をバッサバッサと斬っていく痛快さは格別です。アクのつよいユーモアはマイケル・ムーアに通じるかも? ただマッツァリーノ氏の表現のところどころに飛躍があるので、書いてあることをそのまま鵜呑みにするのはどうかと思います。もう少し統計資料(グラフ、表)を増やしたほうが説得力が出るのでは・・・と感じたので星4つ。<P>谷岡一郎氏の「社会調査のウソ」(文春文庫)もおすすめ。
反社会学講座、この本をひもとけばきっちりとした構成を持った本だということがわかります。世の中に社会学なるものは数多く存在します。何でもかんでも取り入れてトンデモ本になっている本もあるぐらいですから。データというものは見方によってはかなり変わるので本来取り扱うのには慎重さが必要です。少年犯罪の急増、ゲーム脳なる言葉はちょっと見識のある人ならすぐに怪しいとわかります。仮にゲーム脳があったとするなら、最もゲームをやっていたと思われる世代(ファミコンが出た当時、小学生、中学生ぐらいだった世代)が彼らの説なら最も凶悪化しているはずですが、彼らが少年の頃は少年による凶悪犯罪の下降期であり、戦後最も低い部類に入ります。彼らは今も危険な存在ですか?最も社会の煽りを食らった世代であることは確かなようですけど。フリーター、ひきこもり、ニートとして。外的条件の方が彼らを制約している面が大きいんですけどね。彼らが望む望まないに限らず。<BR> イギリスでハリー・ポッターが世界一だと信じる少年は私がそれについての文を書いて見せても、ハリーの作者とは考えませんでした。ハリー少年(ここではこう呼びます)ですらわかるものをわからない人も中にはいるのです。驚きます。気をつけて下さい。アメリカにてアル中で少しイカした兄さんすら、ハッハー、冗談だろ、ヤッとるんか?という返事が返ってきたのに。私は本、彼はナイフを手に持っていましたが、意外に通じるものです。コミュニケーションは大事ですね。その後、談笑しました。この本は世論とはその背後にあるものから構成されたものということをデータとともに示してくれます。全て賛同するわけではありませんが、概ね好意的です。これはメディアリテラシーの本と見た方が良さそうです。この眼鏡、4つ星と見ます。この本、全てを鵜呑みにするのではなく、自分の目で補いましょう。
~一部で超有名なあの「反社会学講座」が本になった。改めてみると結構分厚いのね。<BR>サイトは全部読んでいながら買ってしまうのはやはり本はどこでも読めるからなのだ。<BR>パウロ・マッツアリーノは「反社会学」という旗を掲げながら、決してあきらめると<BR>いう意味ではなく、「今」を肯定しようと言っているのではないだろうか。<BR>~~<BR>肯定するためには、正しい認識が必要だ。その意味で、結論や主張ありきでそれに沿<BR>ったデータを集めて社会不安をあおるスーペーさんはこれからの日本にとって害悪な<BR>のだ。<BR>そして、<BR>「世論なんてものは、その時々の印象的な事件に左右されて、すぐに180度変わっ<BR>てしまう無責任なものなのです。」という文章に、私たちみんなはドキリとしなくて<BR>~~<BR>はならないのである。<P>ウェブの文章に加えて、書き下ろしが2編ほどあるのだが、年金問題かまびすしい今、<BR>できれば、年金改革に隠されたカンリョウの意図、そして改革への新提案ものってい<BR>るので、選挙前によおく読んでおくことをおすすめする。(笑)<BR>あと1,2編書き下ろしがあれば、★5つにしたのに・・・。~