セックスに関する本には二種類ある。一つは男性向けのハウツー物で、こうすれば女性をイカせまくることができる、というテクニック伝授型。もう一つは、女性を対象にした美しい装丁で、「女性も受身のままではなく積極的に性を謳歌しよう」という先進的な趣旨ではあるがやはり内容はセックステクに終始しているもの。結局は、「男性の愛撫法」か「女性の愛撫法をカレに仕込む方法」のいずれかをアドバイスしているだけなのである。<BR>本書はそういった従来のセックス指南書とは全く違った。もちろん技術篇では著者が開発した「アダムタッチ」や「Tスポット、Aスポット」の探し方などのテクも公開しているのだが、何よりまず、基本理念として、セックスは人間にとって一番楽しい愛の行為であり、誰もがパートナーと最高の官能を味わうことができるのだ、という考えがある。その官能の世界に入るための近道として数々のテクニックがあるのだが、大切なのは男性が女性の性を理解して女性が本来持つ性感ルートを開いてあげることだという。実は私って不感症なのでは・・・？と密かに悩む女性は相当数いることと思うが（かくいう私も）、著者の「思いやりが欠如した男性の稚拙なセックスの被害者は女性」という力強い言葉にはほっとさせられる。そして、男性がちょっと考え方を変えて、時間がかかる女性の性を理解し、女性の性感脳を開くアダムタッチを習得してくれさえすれば、自分も最高の境地にいけるのだ、と思うと嬉しくなってくる。これは、まずは女性が読んで自分も感じるカラダを持っていることを喜び、それから男性に読ませて、女性のカラダを開いていく心構えとテクを身につけてもらう、という一粒で二度おいしいおトクな本である。

日本では、ゆがんだ性情報だけが氾濫しています。<BR>男性は何を元に女性にセックスしてるかというと、<BR>ＡＶや雑誌やハウトゥーものの本で得た知識で<BR>女性とはこういうものでセックスとはこういうものだと<BR>実践してるわけです。女性はそういう男性から女性やセックスを<BR>学んでいきます。<BR>性感帯の愛撫法・様々な体位・Ｇ－スポットの愛撫法・<BR>ピストンのテクニックがマニュアル的になされていきます。<BR>慌しく始まり、男性の射精で終わるジャンクセックス。<BR>女性はオーガズムにいけないのは当然です。<BR>女性はそういうセックスに心と体を開いて本当の<BR>絶頂に導かれるようにはできていない生き物だからです。<BR>女性への愛情と尊敬をベースに、時間をかけた丹念で<BR>適切な愛撫・射精を目的としないセックスそのものを<BR>楽しみ味わう行為・行かせることを目的としない愛撫・<BR>ペニスの挿入さえもゴールではなく愛撫のプロセスのひとつ。<BR>このようなスローセックスが、信じられないくらい深く激しい<BR>女性の性感を開き、終わりのないセックスそのものの<BR>堪能へと導いてくれる。<BR>そこには肉体の快感を超えて、心から魂の絶頂の共有と<BR>会話が存在します。<BR>スローセックスこそが、ゆがんだジャンクセックスやセックスレスから<BR>女性を解放し、神秘的で驚くべき女性の性の深さを<BR>男性にプレゼントしてくれる鍵であると著者は述べています。<BR>とにかく目からうろこの画期的な本です。<BR>たくさんの女性と男性に読んでほしい本が出ました。