アジアの人の「顔」が見えてくる教材です。<BR>日本から受けた侵略戦争と植民地支配の中、その苦労と独立へたたかい。戦後の努力と発展。その中身がよくわかります。<BR>僕は今まで、「日本は侵略戦争の加害責任がある」という事実を知らせる教材には出会ったことはありますが、こんなにアジアの人の「顔」が見える教材には出会いませんでした。<BR>世界で最も多くの人が住み、経済的にも更なる発展を遂げようとしているアジア。国際政治でも発言権を増しています。日本の「国益」を考えても、アジアの一国として、お隣の中国・韓国と仲良くしない手はありません。<P>戦後半世紀以上、侵略の反省と戦後保障を行ってきたドイツは、当時の敵国フランスの国民から、信頼できる友人として絶大な支持を得ています(約8割)。日本の首相が、ニューヨークタイムズが「戦争神社」と報じた靖国神社に参拝して、アジアから反感を買うのとは対照的です。<BR>ドイツと日本の対応、そのどちらが国益になかっているかは、国連の常任理事国入りへの周辺国の対応を見えても明らかです。<BR>イラク戦争に「反対・不支持」の国が世界の国の3/4以上を占め、国連憲章を基準にした「武力によらない安全保障」が世界の大勢になっている今、日本がその流れの先頭にたち、憲法前文にある「名誉ある地位」を占める国となるために、この教材が広く読まれ、使われることを期待します。
産経新聞2005年8月1日の報道によれば、日本語版と韓国版においては表現の差異以上の記述の違いがあるとのこと。<BR>この時点でこのこの本の価値は無い。
この本を出版したたちは扶桑社の教科書を批判する。<BR>しかし、ベクトルが違うだけでこの本も同類だ。<BR>いや、中立的な記述を目指さないだけ、こちらのほうがより悪質である<BR>(少なくとも、私は扶桑社の教科書に問題のある記述を発見できなかった)。<BR>ただ一つ画期的な点がある。「昔の日本」だけでなく<BR>「今の日本」も断罪している点である。<P>例えば靖国問題。批判的な記述だけ。<BR>中韓が靖国に批判的であることは周知の事実であるが、<BR>日本国内においては賛否両論のテーマだ。肯定する意見も載せるのが筋であろう。<BR>他にも、歴史教科書の問題や戦後保障の問題など、日本を非難する論調ばかり。<BR>そのくせ、北朝鮮の拉致事件や中国の大躍進政策などはスルー。<P>もうおわかりだろうが、この本が言いたいことは<BR>「なんでも日本が悪い」という一点である。<BR>「自国主観の歴史は通用しない」と言いながら、<BR>「中韓主観の歴史を受け入れよ」と言っているようなものだ。<BR>これでは一般の日本人には受け入れられないだろう。<BR>この本で唯一評価できるのは、歴史認識の共有など不可能であると理解させる点のみである。