世界の謎に興味なんかなくてもとりあえず買って下さい。<BR>読むと昔見たことや、やった事のあるゲームがアルファシステムから出ていることが分かります。
「高機動幻想ガンパレード・マーチ」「式神の城」「俺の屍を越えてゆけ」。本書には左記を初めとした作品の関連情報や開発の経緯が満載です。<BR>評論はどれも特長を明確にしながらも手放しの持ち上げはせず、難点や率直な意見も遠慮なしに取り上げています。ゲームへの愛情は感じられてもプロとしての冷静な視点は保っているため、読みやすく参考になります。<P>中でも興味深かったのは会社への潜入訪問記と熊本紀行。「入社試験に受かるには」という質問に対する社員の方々の真面目あり、お笑いありの名答(迷答)には感心したり噴き出したり。熊本紀行ではゲームに登場する名所や史実を、見学時の配慮も含めて丁寧に紹介しています。頁数こそ少なめですが密度は濃いです。<P>更に感動したのは「アルファ・システムの15年」。製作者達の地道な努力と良い物を作りたいという心意気が伝わってきて、宣伝費ゼロのゲームでもファンを獲得したのは道理と頷けました。<P>この本は緻密なファンブックであり、資料集でもあり、そして何より豪華な社史なのです。
アルファシステムの歴史と、芝村裕吏を中心とするアルファチームが提供する「七つの螺旋」の世界観説明、この両方が網羅されている。アルファシステム作品に少しでも興味がある人間は買い、である。<P>もう一つ。アルファシステムのボードゲーム参入第一弾となる『Aの魔法陣』が、巻末のおまけページとして収録されている。これは卓上型ロールプレイング・ゲームの形式を踏襲したボードゲームなのだが、今後数年以内に独立した文庫版として、内容をブラッシュアップさせた後、刊行する予定らしい。アルファシステムがどんなボードゲームを提供するのか興味がある人は、この本を買って先取りしておく事を強く推奨する。