感動の1冊です。医療に懸ける筆者の真摯な姿勢が伝わってきます。名医であるにもかかわらず、医者としての名声を求めない孤高な生き方に感銘を受けました。もし私が病気になったら、こんな先生に診てもらいたいです。お奨めの1冊です!
内科医にもかかわらず、この本を読むまで「デルマドローム」という言葉さえ知らなかったのを恥ずかしく思いました。でも、周囲の先生方に伺っても知らない先生の方が多く、皮膚科以外の医師でこの単語を知っていたのはほとんどいらっしゃらなかったので、ちょっと安心しましたが、やはり日本では内科診断学が米国に比べて劣っていると実感してしまいました。皮膚にできたちょっとした湿疹からでも、内に隠れた内臓癌などの内科的疾患をズバリ見抜く診断テクニックは、ハーバードを始めとする米国の内科医にとってはあたりまえのことのようですが、日本では実際の臨床の場であまりできていないと感じます。また「歯科金属疹」なる概念も、まだ浸透が不十分だと思います。日本では、仮に知識としては知っていても、実際の現場で充分に生かせていないのでは?と感じました。医大生の皆さんがこの本を読んだら、内科の外来に出るのが楽しくなってしまうのではないでしょうか?、そんな気がします。この本は、中堅クラスの先生方からよりも、むしろ指導医クラスの先生方からの評価が高かったのも面白く思いました。実際の臨床経験の多さから来る実感として共感する点が多いようです。
この本が、世界的な新聞である The World Times (世界日報)で大きく取り上げられて紹介されているのを見ました。さらに、審査が厳しいことで有名な、米国・ハーバード大学図書館の栄誉ある蔵書にも選ばれており、同じ日本人として、とても誇らしく感じました。お医者さまという職業は、やはり、とても素晴らしいお仕事なのだと再認識させられた本です。一般の方はもちろん、医学生・研修医といった未来の日本の医療を背負って立つ若い先生方にこそ読んで戴きたい、そんな良書です。