本書は人間を4つのタイプに分類し、それぞれのタイプの人間とどのような形でコミュニケーションをとっていけばよいかを丁寧に論じている。そのタイプとはコントローラー、プロモーター、サポーター、アナライザーの4つである。もちろん、全ての人がこの4つに綺麗に当てはまるかというと、そうではないだろう。しかし、自分がコミュニケーションが上手くいかなかったと反省しているケースなどを思い浮かべてみると、本書が指摘しているような失敗を犯していたと感じることも多く、参考になったと思う。人付き合いの1つの方法論として知っておいても損はないだろう。内容的には面白く、とても読みやすい本である。
コーチングの本は伊藤守氏の「コーチング・マネジメント」を先に読んでいたので、なおさらこの本の意図することがよくわかりました。確かに人間を完全に類型化することなどできませんが、傾向を知ることの重要性をこの本は諭していると感じました。この本を読むとわかること、それは、自分の持っている素晴らしい特性は何か、逆に気をつけるべき特性は何か、また気の合わない人とどう折り合っていくか、etcです。ビジネス本という領域を超えて、人生どう楽しもうかねえ、という何とも雄大なテーマを扱っている本だと思います。前述した伊藤氏の本などとあわせて読むことをお薦めします。
この本の面白い点は、人間のタイプを四つに分けている視点のユニークさ。「コミュニケーションのヒントをいかに得るか」の試みは人間が持つ基本的価値観を簡明に、平易に解くことでほぼ成功していると思われる。基本的な価値観さえ把握してしまえば、後は応用問題。非常に大雑把に他人が大事に思うこと、人間との関わり方を四つに分けコミュニケーションの入り口が整理されている。<BR>従ってこの視点の使い方は、他人へのアプローチや理解の仕方を把握すること。(コミュニケーションの中身や理解のレベルを上げることは当然別の問題。)使っていただければ分かると思うが、提示されているタイプ分けはとても実践的なフレームワークである。<P>難は余りに分かりやす過ぎて、なぜこのような研究が成立したのか!知的好奇心には全く応えられないこと。また、タイプ自己診断も簡単過ぎ。僕は自分のタイプがこれだけでは良く分からなかった。