独特の美意識、世界観で読む人を魅了する美輪さまワールド。<BR>なるほどと思わせる数々の主張の一方で、もっと多角的に検証するべきでは?<BR>と感じる箇所も多々ありました。黒人の文化に対しての表現もそうです。<BR>美輪さまの全部が好き、というかたにはおすすめかもしれません。
あの奇抜な格好の美輪さんがどのような考え方の持ち主なのか、<BR>確かめたいという好奇心で手にとった一冊。<BR>結果を先に言えば、美輪さんの洞察力の深さに驚かされることになった。<P>様々な事象に対して美輪さんが自身の“意見”を<BR>自由な形で表現する短編エッセーが集まって、<BR>長編エッセーになっている変わった構成。<BR>生きるためのヒントが満ちている。<P>内容を簡潔に表すならば、「自己啓発の方法論」と、<BR>「幸せな生き方」「世の中の真理」「美の重要性」を説いていると言えるが、<BR>斉藤一人さんや船井幸雄さんとは一線を画す人生の解釈をされているようで、<BR>その点が新鮮だった。<P>なぜ美輪さんが女性を意識した容姿や<BR>雰囲気を醸しだしておられるのかという疑問も解けたし、<BR>美輪さんの超現実的な物事の解釈はある意味で爽快に感じられた。<P>ただ、私にとっては美輪さんの価値観が「強すぎる」と感じられ、<BR>他を寄せ付けない雰囲気があったことは事実で、少し残念だった。<BR>あれだけ深い洞察力を持たれているのだから、<BR>もっと大らかな文章で表現してもこの作品の価値は落ちなかったと思う。<P>とりわけ印象に残ったフレーズは:<P>人はみな「自分がまともな人間のバロメータである」<BR>とうぬぼれている。<BR>また、他の人をまともじゃないと言える<BR>資格や権利があると錯覚している。<P>そう諭し警鐘を鳴らす美輪さん自身が、<BR>マトモでない人のことをあれこれ語っていることが、<BR>紛れもなくこの作品の魅力だと思う。<BR>この本を読む時は「客観的なめがね」をかけることを忘れずに!
人生ノートと題名がついているように、あらゆる面からの人生が語られているが、特におもしろかったのは少年法についての美輪明宏さんの持論であった。<P> 完膚なきまでにアメリカ軍は非戦闘員である日本人を爆撃で殺戮していったが、敗戦後には親を殺された子供たちが浮浪児として多数が残された。子供たちは彼らなりに生きるために盗みや時には殺しもやったであろう。そんな子供たちの親を殺したが故に犯罪に手を染める浮浪児を不憫に思って、アメリカは少年犯罪の刑を軽いものにしたのだが今、本家のアメリカでは少年犯罪の刑は重くなるばかりだというのに、日本ではエセ人権に配慮していまだに軽い。<BR> このように思い切った意見が気持ちよく、これほどまでに理路整然とした考えに触れて嬉しかった。