サブタイトルが示すように、この本は、私たちをさながら「発見と証明の大航海」の知的な旅へ誘ってくれます。旅を続ける間に、私たちは、多くの数学者を引きつけてきた数論のさまざまな話題を追体験できる仕掛けになっています。<P> なぜかと言いますと、この本の大きな特徴は、読者に実験や観察を常に要求しているのです。誤解しないでください。決して無理難題を要求しているのではありません。予備知識は高校1年生程度で十分であり、豊富なデータをもとに、そこにひそむ規則性を予想し、発見的に学習を進められるように工夫されているのです。<P> こんな趣旨で一貫されて書かれた数学書は、稀有です。章もなんと45もあります。<BR>例えば、「25章 どの素数が平方数2つの和となるのでしょう?」です。章のタイトルが示すとおり、そこのページにある豊富なデータを見ながら私たち読者は知らず知らずに数学の諸法則を発見的に追体験できます。<BR>専門書にありがちな冷たさはここにはありません。ぜひ、お手にしてみてください。きっと、知的好奇心を刺激されます。
この世のどこにもないけど、数学好きには、たまらない世界、それが数論。<P>数学嫌いは、数学好きたちが時々口にする「美しい」という言葉に、いらだち、時に身震いしたことだろう。近頃は美学者すら「美しい」なんて言葉は使わない。臆面もなく使えるのは、数学者か数学マニアだけだ。<P>この本は、そんな数学嫌いにも、数学の何が「美しい」かを体験させることができる数少ない本だ。<P>ものを数えることと、紙に数字や記号を書くことができる人ならば誰でも、数学でもっとも「美しい」世界を、この本と一緒に味わうことができる。
400ページ近い厚さにびっくりしたんですが、読み始めてびっくり。高校1年程度の計算ができるだけで、ちょっと計算してみると次々に数の不思議な性質が発見できて、しかも、自分の力で証明できてしまうのですから。星5つにできなかった理由は入門者向けなのに値段が高すぎること。もう少し安ければ人にも勧めやすいのに残念!