この本は著者がガンで倒れるまで、ほとんど欠かさずに続けていた日記とブログを本にまとめたものである。<BR>奥山さんはこの日記のコンセプトを「お涙頂戴の闘病記なんて吐き気だよね」という点においている。<BR>自分もそういう意思をくみ取って1、2作と読んだ。実にガン患者で余命わずかとは思えないぐらいにクール、そしてロックのグルーヴが全体を包み込んでいて、惹きつけられるように読んだ。<P>しかし、この3作目は、もう涙なしには読めなかった。まるで飲み屋で昔からの友人から話を聞いているような語り口で、灼熱のような苦しみと戦いながら最後の最後まで文章を刻んでいるのだ(口述筆記含め)。<BR>自分のなけなしの想像力を発揮しても、そういう極限状態で書き続けることのどんなに難しいことかと思う。作家(小説家)として死ぬ、という本懐も果たし、最後まで力強い土性骨に支えられ、疾走した彼の作品に静かに後光がさしている。<P>帯に「オレを覚えていてほしい」とある。<BR>こんなにクールなスタイルとホットなスピリットを持った男を忘れられるわけがない。
31歳、32歳と読ませて頂いて、日記やブログも追っていました。<BR>自分は奥山さんと同い年、お誕生日も一日違いということで、親近感が沸いていました。また、医療従事者であることから「何て強い人なんだろう」とも思いながら見守っていました。<BR>LAST EXITでは最後にお父様とお母様の手記が載っています。 彼が最後までROCKだった理由がわかったような気がします。<BR>31歳ガン漂流の頃はアンダーグラウンドな趣味が似てる!と思いハマったのですが、医療に対するアンチテーゼや、家族、友達、人生を等身大に考えるきっかけになりました。