この本はとてもわかりやすくていい本です。短大を目指す人にとっては一番良い本でしょう。
私は受験当時,それなりの読書量があったので特段何もせずセンター試験をクリアすることができたクチですが,ひょんなことからこの本を読んで驚きました。私にとっては,例えばこの模試ではフィーリングが合った合わなかったというのは,この本に書かれていることを無意識で使えていたかいなかったかの違いだったと分かったからです。何故,この本に書かれているようなことを学校で教えないのでしょうか?<P>書かれている方法論は至極当然のことである。決して魔法のような方法論ではない。ポイントは本文を「助詞・接続詞・指示語」を利用して「論理的」に読み,筆者の言いたいことを「客観的」に把握するということだろうか。この内容をそれぞれ数行足らずの例文を使って問題形式で読者に理解させる形式をとっている。また段階的に標語のようなフレーズでまとめられており,読みやすい上にちゃんと定着させながら進むことができる。第2部の演習問題は5題あるが,第1部を何回か繰り返し読んで特に「助詞・接続詞・指示語」の役割をしっかり理解した上で,これを意識して取り組めば少ない演習量でも高い効果があげられる。田村先生の方法論を試してみたい人は,一日で終えられる程度の薄い本なのでまずこれから始めると良いだろう。
大学入試現代文が苦手で仕方なく、取っ掛かりがつかめないでいるような人に最適の参考書である。<P>この本では、現代文の参考書として長年定評のある『新・田村の現代文講義』シリーズの最も基礎的な部分が凝縮され、苦手な人向けに分かりやすく語り解かれている。基礎の解説と練習問題5問からなっており、練習問題自体は少なめだが、この参考書を終え基礎を掴んだあとに他の参考書や問題集に取り掛かるとだいぶ取り組みやすくなることだろう。そうした意味で、現代文の勉強における一歩目としてとてもよい参考書といえる。<P>個人的にこの参考書について特筆しておきたいのは、その構成である。<P>現代文が苦手な人というのは、入試で出題される文章のあの硬い文章を見ると生理的によそよそしさを感じてしまい、それで苦手意識を感じてしまうことが多いと思われる。なぜかと言えば、そうした人の多くは、これまで内容・文体的に柔らかく読みやすい文章しか読んできておらず、硬質の文章を読む経験を積んできていないためである。しかし、いつまでもそうやって難しさから逃げているわけにはいかない。入試本番で出題されるのは「だ/である」体による抽象的な内容の文章であるのだから、いつかはそうした硬質の文章に慣れないことにはどうしようもないのである。この参考書ではそうした受験生の苦手な部分がよく考慮されており、徐々に硬質な文章に慣れていけるよう構成がよく練られている。最初はほとんどお喋りのような柔らかい語り口調からスタートしているが、問題を進めていくうちに段々と硬い文体になっていき、参考書の終わりでは入試と同様の「だ/である」体になる。現代文の苦手な初心者へ配慮しつつ、しかしおもねり過ぎることなく、この参考書を終えた時に「ひとり立ち」ができるよう考えられている。この辺の配慮の具合が絶妙で心憎い。<P>現代文が苦手で藁をも掴むような思いでいる人には、ぜひこの参考書を薦めたい。