TBSラジオの月曜日昼のコラムを担当する吉田氏が、22人の元アイドルにインタビューした。<BR> ・・・「何が原因で一時は精神的に壊れて、それをどうやって克服したのか(あとがき)」・・・。<BR> 使い捨て商品であることを運命づけられたアイドルたち。その大部分は、全盛期を過ぎれば、メディアから消える。しかし、彼女たちは、その後も、生き続けねばならない。吉田氏は、そんな彼女たちを、丹念に調べる(「このインタビューは、なんでも調べてくるから怖い 我妻佳代 P171」)。しかし、吉田氏は、バランス感覚を失うことなく、あくまで、人間としての彼女たちの魅力に迫る。そして、いろいろな経験を経て、成熟した彼女たちは、肩から力の抜けた魅力をふりまく。<BR> 強さ、たくましさ。それぞれのリラックスした表情を見ると、20年ぶりに再会する同窓生のようだ。いろいろあったろうけど、生きていてくれて、本当に、良かった。
世間的にもメジャーな面々、しかも対象が女性のみということで<BR>芸能事務所的縛りなんかがあったのかもしれないがいつもの<BR>吉田豪的なギリギリ感は薄い。しかし、世間的には十分物騒な本であることは間違いない。<BR> 近年、80年代の"元"アイドルが「現役当時は話せなかった裏話」<BR>なノリ(ロンブー司会が似合うような番組ですよ)で話をしたり<BR>するのだが明らかにそんな98%期待はずれな番組とは一線を画す。<BR> <BR> インタビューは、本人が過去発言した言質や、噂話などを検証する形で進んでいく。相変わらず「本人より詳しい」のはさすがだ。上にも書いたがさすがにギリギリ度は低い。しかし、"アイドル"稼業の過酷さを検証するには十分すぎるギリギリ度である。<P> そしてインタビューとは真逆のテンションのあとがき。これはネタバレなので書かないが、インタビューとのギャップに戸惑うが、一度通読し、あとがきを読んで再びインタビューを読み返すと、コクが増した味わいとなることだろう。<P> いつもの吉田豪を期待する向きにはお勧めしないが、あとがきにかいてあるように、アイドル好き男子よりも現役アイドル、アイドルを目指している人には必読の書であることは間違いない。