本書を手にするだけの意識のある人ならば心配ないだろうが、英語に限らず語学を勉強する際に楽をして実力を得られる程甘いものではないと言う事実を受け止めて欲しい。自分で泥臭く勉強を進めなければ意味は無い。<BR> 本書は、中級者にとってはやや敷居の高い英文が満載の上級者への橋渡しになる刺激の多い1冊となるだろうし、上級者にとっても基本的な内容から英語を更に身近なものにしてくれる実りの多い1冊だろう。英語を読むにも聞くにも、ある程度纏まったスキットが実際のNativeの英文から選ばれており、一読の価値はどの英文も高い様に思う。本格的に英語を勉強したい、その為にある程度の時間を掛けられる人にとってはコストパフォーマンスの高い1冊である。<BR> 短期間で集中的に英単語やListeningを勉強したいという方は、もう少し別のそれに適した本を探せると思うのでお勧めしないことにするが、例えばTOEICやTOEFLと言った国際試験を眼中に置いている人には本書から様々な知識や背景、基礎英語力が学べるであろうし、時間を掛けて損は無いだろう。そもそも英語を学ぶ際に文法とか単語とか、ReasingとかListeningといった区分は上級者になればなる程垣根の低いものになっていくはずなのだから、それらを一括して纏め上げられる本書は適当な体裁なのかも知れない。一度手にしたからには徹底的に意志を貫いて取り組んで貰いたい。
大抵の英語参考書は、リスニング・リーディング・ライティング等分野別に搾られているのが現状ですが、本書は単語力養成以外にもいわゆる上記のような「英語4能力」といわれるもののうち、リスニング・リーディングを養成できる欲張りな内容です。<P>まず題材にしているのは、時事ニュース文(それも中々の長文)のためにリーディング力が自ずとつきます。またその文そっくりそのままCDに納められているので(スロースピードとナチュラル両方)、ヒアリングも向上します。またスローモードでも単なるスローではなく、英語の区切り方を明確にして(日本人の感覚の区切り方と違う事に気付きます)話してくれるので英文構造を把握する一助になります。<P>後半は会話文が主体なので、ある程度の口語表現にもしむ事もできます。<P>私は、かなりこの本を使い込んだおかげで(勿論その他にも努力しましたが)、何も聞き取れない段階から始まったリスニング力はニュース英語を8割方聞き取れるまで伸びました。<P>本書は単語養成以外にもリスニング・リーディング養成にも使えるオールマイティ物です。
まず難易度はNHKの「ビジネス英語」と同程度と言えばわかりやすいだろうか。<P>本文は、英字新聞や雑誌から抜粋した一つの話題を無理のない量に分割して収録しており、学習のペースをつかみやすい工夫がなされている。また本文・逐語訳(意訳や日本語の語順による全訳ではなく、あくまで英文を英語の語順で理解する手助けとしての訳)・重要単語(英英の定義文+和訳)のみを見開きの2ページに収録し、無駄な解説文は無い。付属CDも英文のみを収録しており、極力ムダを削ぎ落とした構成で上級を目指す学習者には使いやすい内容となっている。<P>収められた記事の量も多いため、”お買い得”感もある。<P>本書の単語をすべてマスターすれば、英字新聞や雑誌をスラスラ読める実力が付くだろう。再生速度を調節できるプレーヤーで速聴の訓練をすれば更に力がつく。<P>しかし、本書が想定しているよりも難しい単語(?)が所々で無視されており、結局辞書を引く手間を取らせることがある。また上級だけあって硬めの単語が並んでいるため、日常会話の上達だけを目指すなら、本書の単語を一所懸命覚えるよりもスラングの習得などに力を入れるのも得策だろう。固めの会話で上級を目指す人にとっては効率的な1冊。