プリンシプルのない日本―プリンシプルは何と訳してよいか知らない。原則とでもいうのか。 みんなこんな本を読んできた プリンシプルのない日本―プリンシプルは何と訳してよいか知らない。原則とでもいうのか。
 
 
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プリンシプルのない日本―プリンシプルは何と訳してよいか知らない。原則とでもいうのか。 ( 白洲 次郎 )

おそらく1950から60年代のエッセイである。<BR>白洲次郎は吉田茂の特使をしたり、東北電力の会長をしたりした人である。<BR>作家の今日出海は彼のことを称して”育ちのいい野蛮人”といっている。<P>彼にはいろいろな逸話がある。<BR>アメリカの高官に英語でのスピーチをしたところ、その高官から<BR>”君の英語はなかなかすばらしい”それに対して白洲は<BR>”君の英語はたいしたことはないね”と言い返した。<BR>GHQをして「従順ならざる唯一の日本人」と怖れられていた。<P>また、軽井沢ゴルフクラブの理事長になった際、田中角栄に対して、”君は日本語が読めないのかい”といったとか<BR>無断でタオルを持ち去る人が多く、それを禁止した張り紙を田中が無視したからである。<P>日本の外交に対しては, ”どうせ軟弱外交といわれるのなら、いうことだけは正しいことを言ってほしい。<BR>力をつくって今にみていろという気迫を皆を持とうではないか”<P>解散のない参議院議員が首相になったらどうするんだ、内閣の過半数が参議院議員になったらどうするんだ、議会民主制を保てないので衆議院だけにしろ<BR>などである。<P>そういった彼が書いたエッセイだ。<BR>背筋の伸びたかっこいい日本人がいたことを改めて実感した。

白洲次郎という人の存在は以前から知ってはいたのだが<BR>その人となりを詳しく知る機会が無く、とりあえず最初に手にしたのがこの本であった。<BR>本人の言による構成なので、彼の業績・生き様を知るにはいささか物足りないかもしれない。<BR>しかし戦後間もない時期の時勢を反映したその内容は驚くほど現在の日本の社会に通ずる点があり、興味深く読んだ。<BR>戦後60年を経てなお(悪い意味で)変わらぬこの国の中枢に、白洲次郎の不在が嘆かれる。

「プリンシプルはなんと訳してよいか知らない。原則とでもいうのか。」、「日本人と議論をしていると、その議論のプリンシプルはどこにあるのかわからなくなることがしばしばある」、この言葉ほど彼の日本または日本人への思いを表現する言葉はないのでは。私は同じようなことを感じてよりどころと言っていたのですが、これを聞いてなるほどプリンシプルか、と思いました。<P>ゴルフを始めて白洲次郎という人に興味を持って読んでみたのがこの本でした。しかし彼の言うことは一貫してプリンシプルがありますよね。逆にいかにそれのない日本人が今も彼の生きた時代も多いか、ということでしょうか。

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