50歳代を対象とした健康雑誌への連載を集めたもの。著者の日野原さんは90歳を過ぎて現役の医者である。この本のなかでは、老いを迎える者の日々の充実した生きかた、また、人生の先達としてさらに若い世代に何を伝えていくかといった話が、優しい口調で語られる。しかしこれを読んだ中年層のかたを介さずとも、若い我々がこの著を直接読んで得ることも多い。高みから垂れる常套な養生訓ではなく、ゆったりと生きる術を説く。
全編にわたり、筆者のお人柄がわかる一冊です。医師という職業を通じてご自身が得られた”生きること”に対する、筆者の姿勢が、何か世の中に流されて、朧げな不安を感じつつ過ごす自分を見つめなおすきっかけになりそうです。<P> 当たり前かもしれませんが、心を前向きにもって、高望みすることなく暮らすことが、幸せという結果を生むのだなぁと素直に感じました。<BR> 私の人生にも、そぎ落とすべき余分なところがあるような気がしました。
最近、辛い事があり、それを乗り越えるヒントが見つかればと思い読んでみた。<BR>内容的には読みやすく、また良いことがたくさん書かれてあった。<BR>読んでみて感じたが、今の時代に(特に若者に対し)きちんとした意見を<BR>言ってくれる、お年よりはいるのだろうか?<BR>人は、苦労や様々な経験を重ねることで、人間として成長する。<P>今は気のせいか、お年よりを邪険に扱うような時代に思える。<BR>彼らが生き経験した多くのリアルには、真実がたくさん含まれている。<BR>つまり、うるさい意見を言ってくれるのを、わずらわしいという理由だけで、<BR>切り捨ててはいけないという事である。<BR>また、聞くほうも、きちんと意見の成否を判断して受け取る技量が必要である。<P>一方、ニュースを見ていると目を覆いたくなるような事件が飛び込んでくる。<BR>何故こんな日本になってしまったのかと感じる。目に見える表面的なものは<BR>豊かになり、一見すると、とても素晴らしい国に思える。<BR>しかし、豊かになった反面、他人に対する思いやりや、<BR>昔からあった良い習慣が失われてしまった。<P>失っただけでなく、目に見えない闇が社会に根深く育ってしまったと思える。<BR>人は、何かを失わねば、何かを得るはことはできないのだろうか?<BR>この本を読み、今後時間はかかるだろうが、<BR>日本は精神的な文化を向上させてゆかねばならないと強く感じた。<BR>話を戻すが、書評として、気になったこと、自分なりの解釈を加えてみると、<P>・人の死に向き合う。命の大切さ、人間、医療の限界を理解する。<BR>・人間関係はわずらわしく、厄介なものであるが、それを避けていては成長がない。<BR>自己中心的な人ばかりがあふれてしまう。それでは、社会を変えることはできない。<BR>・死ぬときに感謝が言えるように生きる。<P>があった。評価としては☆5つ。こういった本は、特に若者に読んで欲しいと思えた。