はっきりいって大人向けの本のような気がする。もちろん内容は子供でも十分読めるし、物語としてもおもしろい。しかし、この内容は子供が読んで果たしてどこまでその奥行きを楽しめるのかははなはだ謎だ。私に子供の心がもうないからかもしれないが。大人が大人として疲れるときそれは、子供と違い深刻である。なぜなら、時間がどんどんなくなり根元から解決しなくてはならないからだ。この本は逆に中高生くらいで読んでも実感をともなっては読めない気がする。大人になって初めて読んで感激しました。ただ、ひらがなが多すぎて変な忍耐力を感じた。
タイトルは、大きくつけてしまいましたが、この作品は現在起きている世界の問題の解決策が書かれている本であると真剣に思えています。「ポストもも日記」というブログにたまたまエンデの「モモ」の事が書かれていたので、思い出し、今年になって再度読み直しました。すると、これはこのことを言っているんだ!という新たなる発見があり喜びがあります。喜び=現実の苦い面、ですが。お金というシステム、それは灰色の男たちの創った創造物です。本当に存在するものではなく、幻想である。人間達はそれによって奴隷状態にさせられているという灰色の男達の罠にまんまとひっかかり、自由を時間を命を奪われ続けている。それに気がつかせてくれる作品です。サラリーマン生活をしている反面、これはいったい灰色の男達のために自分は生きているのか?などと考えさせられる熟年の大人が知るべき作品であると思えます。子供やそれこそ孫、ずっと世代を超えて読み続けていってほしいと思います。
エンデの名著。
<br />不思議と何回も読みたくなる本である。
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<br />読み終わって思わずはっとさせられる本である。
<br />この物語の時間泥棒の言っていたことを自分もしていたからだ。
<br />「時間がない、時間がない。」と。
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<br />児童文学ではあるが、こんなに胸にグサリと来た作品は見当たらない。
<br />ファンタジーだけど現代社会を見据えた、とてもよい作品である。