小生が本好きになった初めのきっかけが本書であった。小学1年の頃に おばさんが読んでくれたのが本書である。小学一年生に 北欧の自然を想像することは難しかったはずだが どうしたことが すっかりはまってしまった。字が読めるようになってからは何度も繰り返し読んだことを今でも憶えている。
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<br /> あれから30年以上が経った。目が悪くなったのは 読書のせいだが そろそろ年のせいでもある頃だ。それでも やかまし村は 小生のどこかに今でも残っている。そんな気持ちが不思議だが 幼児体験というものの一種かもしれない。勿論 幸せな幼児体験である。
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スウェーデンの自然の中で、のびのびと育っていく6人の子供達がいきいきと描かれています。親達もとっても寛容です。
<br />子猫を拾ってきても、すぐ飼う事をゆるします。また、ほし草置き場で夜を過ごす事を許したり。でも子供達が親の助けを必要とする時には、きちんと手を差し伸べています。子供達とよい距離感を保っているように思いました。
<br />3軒の家の関わり方がまた理想的に思いました。ある家のおじいさんは、皆のおじいさんでもあります。そして子供達が皆、そのおじいさんの事を大切にしているのです。皆の家のカブラ抜きを6人の子供達が力をあわせてしたりもします。
<br />遊び方もとってもわくわくする事ばかりです。隣同士の家の距離が近いので、樹をつたって行き来したり、基地を作ったり。ワクワクすることが盛りだくさんで、よくこんなに楽しい世界が書けるものだと思ったのですが、この物語は、アストリッド・リンドグレーンの農村での子供時代の体験をもとに書かれているそうです。
<br />こんな子供時代を過ごせたらどんなに幸せだろうと思いました。
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気になることが一つ。<br> 36ページで、子どもたちは懐中電灯を点滅させて合図を送ります。<br> どこかで読んだことがあると思い考えてみますと、ありました。<br> そう『赤毛のアン』でアンとダイアナはロウソクの火(あるいはランプ)を<br> 板紙で点滅させてサインを送りました。<br> はたしてリンドグレーン女史は『赤毛のアン』からヒントを得たのでしょうか?<br> 比較文学の観点から考えますと気になります。