西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 みんなこんな本を読んできた 西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文
 
 
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西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 ( 山田 済斎 )

長尾剛氏の「話し言葉で読める西郷南洲翁遺訓」を読んで、原文にも触れてみたくなって手に取った。 <br /> <br />内容は長尾氏が紹介した44の遺訓に加えて、西郷との問答や逸話も含まれている。司馬遼太郎の著作でよく披露される西郷のエピソードも見つけた。 <br /> <br />『明治戊辰鳥羽の戦、官軍の一隊少勢なりしかば、急を相国寺中の陣営に報じ、援兵を乞う。翁、手を挙げて、「残れる人数いくばくなりや」と問う。答えていう、「一小隊あり」と。翁笑うて言う、皆死せ、しかしてのち援兵を送らん」と。』 <br /> <br />文語体や漢文の読み下しで、決して読みやすいとはいえないが、そのぶん格調が高く、味わいもあって、原文に触れた満足感が大きい。ただしこれは筆者のもの好きも多分にある。普通には長尾氏版と合わせて読むのがいいだろう。 <br />

西郷隆盛の思想に触れることの出来る本です。百ページ足らずの薄い本です。一番読みやすい「遺訓」は二十ページです。<br>この本の特徴は正漢字正仮名遣いで書かれていることです。形式はいかめしいが内容は漢文の伝統が後押ししてくれているので実に親しみやすく人生の叡知を秘めています。読んで分からない箇所もありますが気にすることはありません。<p>「誠意を持って聖賢の書を読み、その處分せられたる心を身に体し、心に験する修行いたさず、唯かようの言、かようの事と言うのみを知りたるとも、何の栓無きものなり」<br>吉田松陰は若いから性急で難解だったりしますが、その点、西郷隆盛は落ち着いた大人の貫録があります。

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