福沢諭吉の最高峰の1つ。彼の眼力の鋭さは、日本の歴史を「支配者」の交代の歴史と捉えたこと。「人々」は未だ歴史の主役になっていないことを喝破したことである。福沢はこれを遺憾としている。彼は、「支配者」を批判的に見ていた思想家であり、日本の歴史が「支配者」から解放された時、文明は訪れると説いている。
慶応義塾大学の創始者、福沢先生の著書と言えば、これ。<br>筑紫哲也が「多事争論」という言葉を番組で言っているのも、この本を読んだからでしょう。<p>智識だけではなく、徳義の重要性にも述べられているこの本は、現代社会においても考えされられるものだと思います。<p>「今の世の中は、商売と戦争の世の中」と言われると、確かに・・・とも思うはず。古語のため、多少読みづらい点で☆は5つではないが、たとえ話を交えて書いてあるので、絶対読めないというほどではない。
言わずと知れた福沢の最高傑作であり今更内容を書く必要は無いでしょう。ただ、彼の言う「文明」という言葉の意味が理解されず、幾多の誤解を生じたのは残念なことです。この言葉を広く解釈して、あたかも彼が全ての分野で西洋が日本より優れていると主張している、というのがその代表的なものです。福沢は西洋の「文化」については余り関心のない人でした。彼の関心は、専ら政治制度や法律といった国家を維持するためのシステムに向いていました。これが彼の言う「文明」です。我々が考えるような西洋文化や日本文化といったものではありません。どれほど優れた文化を持っていても、外敵に滅ぼされてしまってはどうしょうもありません。だからこそ福沢は、現在は西洋文明の方が日本文明よりうえであり西�!��文明を導入すべきと説いたのです。