固いことを言わずにまあ読め! と言いたいような青春の快著である。
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<br /> とにかく 若き福沢が 一生懸命勉強している姿には感動した。当時の適塾の雰囲気が じんじんと伝わってきて実に面白い。開国を前にした エリート達が むんむん勉強している。遊ぶ時も遊びきっている。あの時代そのものが日本の青春だったに違いない。そんな風に思ってしまう。
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<br /> 今の自分が忘れてしまった熱意がある。読んでいるうちに なにやら 湧き上がってくるものがある。そんな 読んでいて元気の出る本です。
この本を読んで、下級武士と我々一般人との考え方に差がないことがわかります
<br />人間福沢諭吉、本当に面白いです
<br />面白みがあるということは、すごく努力をしているということでもあるのです
<br />何度でも読めます
福沢諭吉と聞いて普通みな1万円のオッサン、と想像するのではないであろうか。もう少し深ければ明治期のカルチャーリーダー、いち早く自由を基調とする近代的思考に目覚めた先駆者、というところであろうか。一般的な偉人・福沢諭吉の説明は概ねこんなかんじで行われているであろう。
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<br />しかし、である。僕はこの本を読んでまったくそんな印象を持たなかった。彼は自由主義者ではなく、能力のある父と自分を受け入れてくれない閉塞した侍世界に恨みを抱くものであり、それを解き放ってくれたのが外の世界だった。そして彼はそれを世に問うだけの力が在った。
<br />それは「偉人」というより閉塞感を抱えた高校生のそれであり、言い換えるなら一人の「人」もしくは「男」であった。高校生ならギターを握るが、彼は自分のオランダ語・英語の才をピックに自分のロックンロールを世に問うたのであった、と感じた。ちょっとヤンキー入ってるところまウリ二つだ。
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<br />大思想家、翻訳家その他仰ぎ見る対象としての福沢諭吉、という視点からこの本を読むのもよいかもしれない。ただ、のんびりと彼と肩を並べるようにしてこの本を読んだほうが僕はいいと思う。そうするとこの本は、いや彼は自分から語りかけてくるから。