この地上で人間として実際に生き、そして道を求め続けた仏陀。弟子たちを愛しともに歩まれた仏陀。
<br />この書にはその「偈」が当時を髣髴とさせる形で載せられています。
<br />これが飛鳥・奈良・平安・室町の時代に日本にあったらどうなっていたでしょう。
<br />読み進めるほどに「現代仏教」が仏陀の願い・教えからいかに変質してしまったかを痛切に感じずにはいられません。
<br />事実としての真実の「仏教」の姿を知るために最適の書物であり御経文と思います。
近年、宗教と言う言葉を聞くとあまり良い印象を抱かなくなったように思います。仏教の創始者であるブッダですが仏教とゆう宗教抜きにしてもすぐれた思想家であり、仏教自体が宗教よりも思想に近いことを教えてくれます。ブッダが宗教家と言うよりもモラリストであることが良く分かります。その人間観察力はとても2千年以上昔の人とは思えません。寝る前や電車などで読むのに最適です。私は無宗教ですが生涯かけてこの本を読むつもりです。
古来より多くの仏教者が原典を求めてインドへ向かった。それは手垢がついて拡大解釈され、曲解された教えに疑問をもち、原典を読むことによって真実、釈尊の教えを知ろうとしたかったからだ。
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<br />その意味では原典を直接邦訳したこの本はその肉体的旅路を省いてくれる。三蔵法師が命を賭けて探した原典を私達は簡単に手に入れることができる。