近年のCSRブームには「時代の流れ」を感じていましたが、本書を読んで、今の大きな流れにも実は少数者による地道な努力が基礎にはあったのだと分かります。彼らは企業の使命は利益を上げることが常識的な世界で、企業の社会的な責任を説き、ついに多くの人々を動かすようになりました。本書は現在のCSRの流れが誰によってどのように作られていったのかがよく記述されています。もちろんこうした考え方が広まったのには冷戦の終結や、環境問題の表面化など構造的な要因も存在するとは思いますが、やはり一人一人の意志が重要なのだと改めて気付かされます。
社会起業家に寄せる熱い思いが伝わってくる良書であり、どなたにもお勧めします。諸外国(主に米国)と日本の事例が載っており、とても真似の出来ないようなものから、身近なものまでよく網羅されていると思います。事例ばかりでなく、こういった潮流の行く末もきちんと説明なさっており、「社会変革のうねりはこういうところから」ということを予感させてくれます。次回のフォローアップ編を期待したいところです。
「社会起業家」のなりたちや、最近よばれる「NPOと企業のパートナーシップ」となるまでの歴史について知ることができました。<p>アメリカや日本の「社会起業家」のインタビューや最近話題の「CSR」、「SRI」についても触れているので、<p>「ビジネスを通じて、環境や社会に良いことをしたい!」と思う方への参考となる本だと思います。